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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 後半
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「・・・これは言い出した私が、車長である私が責任を負うから。お願い」
そう言ったハルナにナツコ達3人は見つめた。
(ハルナ)
(ハルナさん)
(ハル)
天桐は、ハルナの前に立って聞いた。
「ほぉ、お前1人で他の3人分も。つまり、1人で4人分をか?」
「そ、そうよ。だから、お願い」
「ふーん。仲間思いだなお前。・・・けど嫌だね」
「くっ」
「罰は皆で受けないと不公平だろ。うん?」
天桐は嫌らしい顔でハルナを見下げた。そんな天桐にハルナは睨みつけた。
「・・・最低ね。やっぱ」
「ハァ?負けた方が相手に命令出来るとか吐かしたのはお前だろ。そして、負けたのもお前だ」
「・・・」
「さーて、約束なんだ。勝った俺らの言うこと何でも1つ聞いてもらおうか」
「・・・」
ハルナは、何も言い返せずに俯いたままだ。
「そうだなぁー。じゃあ、お前たち全員で、」
「クッ」
ハルナは思った。自分のせいで、自分とナツコ達も奴らに酷い目に合わせてしまうと。
天桐達と自分のことを強く恨んで後悔した。だが、もう逃げられない。腹を括ったハルナ。そんな彼女の耳に、天桐の言葉が入った。
「俺らに弁当を作って来い」
「ッ」
一度は、息を飲んだハルナ。だが、
「え?」
ハルナは拍子抜けような声を出した。
「は?」「え?」「?」
他の3人も同様だ。
天桐の言った言葉が聞こえなかったのか理解できなかったのかハルナは天桐が何を言っているのか分からなかった。
「今なんて?」
もう一度聞き返された天桐はもう一度答えた。
「だから、弁当を作って来いって言ったんだよ。」
同じことを二度言った天桐にハルナは、
「・・・え?・・・はぁ?」
再び抜けた声を出したが、はっきりと聞いた。
「それってどういうこと?」
「はぁー、だから」
天桐は右手で自分の頭をかくと面と向かって言った。
「これから俺たちがここに通った日の昼飯用に弁当を作って来いって言ってんだ」
「・・・」
「わかったか?」
「・・・それだけ?」
「あぁ、それだけだ」
「本当に?」
「ほんとだよ」
「嘘じゃないの?」
「嘘言ってどうするんだよ」
会話しているとハルナは少しだけ黙って俯いている。
プルプルプルと体を小刻みに揺らして始めた。それを見て天桐は、
「?」
変に思っていると。ハルナが突然、
「・・・プッ」
吹き出した。そして、小刻みに震えていた体は激しくなり、遂に
「クッ、アーハハハハッ」
爆笑しだした。
それには、天桐や他の皆も鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
「ハハハ。あ、あんた達、クックック、馬鹿じゃないの。ハハハハハハ」
笑いがなら天桐に指をさすハルナに対して、天桐は言い返した。
「な、だ、誰が馬鹿だ」
「だって、馬鹿じゃない。
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