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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 後半
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」「あらら?」
それもそのはず、今10メートル先に居たはずのV号が一瞬で消えたのだ。
「消えた?」
ハルナは、自分の手で両目をこすり、もう一度確認するがどこにも見当たらない。
(どこに?)
ハルナは、雲行きや雨のせいで視界が悪いので、見失ったのかと思ったが、明らかにそうではなかった。それに、ここは障害物もなくだだっ広い場所であるため、隠れるのは不可能だ。今は、雨音でエンジン音も聞こえにくくなったのもあり、視聴覚で相手の位置が分からない。
ハルナはハッチから顔を出し、外から確認しようとした瞬間だ。
ドガァン
「きゃ」
突然、大きな轟音と同時にシャーマンに衝撃が走った。そのせいで、立ち上がろうとしていたハルナは尻もちをついた。
「痛、一体何?攻撃?」
「はい、おそらく。今のは、右から受けましたね」
「ナツコ。急いで動いて狙い撃ちされるわ」
「う、うん」
ナツコは、急いでシャーマンを走らせようと操縦するが、一向に動こうとしない。
「あ、あれ」
「どうしたの?」
「右の履帯が動かない」
「え?ちょっと、待って」
ハルナはハッチから顔を出し、右側の履帯を確認した。
「り、履帯が」
シャーマンの右側の履帯が壊されているのだ。
「今の攻撃で」
ハルナが見る限り、それはただ外れたのではなく。何らかの攻撃による破壊だと分かった。
右側の履帯が壊れたことでまともに走れないシャーマン。それに、この辺りは土ばかりで雨が降れば泥濘が出来てしまう。そして今は、この雨のせいで泥濘ばかりになった。一方、残る左側の履帯は、その泥濘にはまったせいで、走れないのだ。
「クッ」(これは、右方向の近距離からの攻撃だ)
ハルナは、今の攻撃から推測して砲塔上面のハッチから顔を出した。
「けど、どこから」
ハルナは右方向を見るがそこにV号の姿は愚か何も見えなかった。
雨や明るさのせいもあり、遠くまではっきりと見えないが、10メートル程度の距離には影1つ見えなかった。
「居ない。・・・どこにも」
ハルナは右側180度に首を振って確認していると、すぐ下から一瞬だけ何かが光ったのに気付いた。
ハルナは、そのまま恐る恐る下に目を向けた。
「・・・居た」
目先3メートルにV号の姿を捉えた。だが、ハルナの見るV号は異様だった。
なぜなら、V号戦車が砲塔だけを出した状態で地面に埋まって居るのだ。
「な、なんで?」
ハルナは突然の状況で全く理解出来なかった。先程まで目の前を走っていたはずのV号がなぜか右隣の地面に埋まっている。なぜなのかハルナは考えようとしたが、時間も情報も足りないこの状況では何の意味もない、そして何よりも既に何もかもが遅いのだ。
もう彼女達に出来ることは何もない。
そして、V号戦車は少し砲塔を上に向けてシャーマンの側面に標準を
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