6月第3日曜日・13
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「どれどれ……とってもdeliciousデス!」
「うわわ、金剛さん!?」
清霜の後ろから腕が伸びてきて、トレイの上のピザをつまみ上げて金剛がかぶりついていた。左手にはビールのグラスを持っていて、ピザを飲み込んだ後に喉を鳴らしてビールを流し込んでいる。
「おぉ、楽しんでおるようじゃな金剛!」
「Hey、利根さんも飲んでマスか〜?」
金剛も普段の明るい調子を取り戻してきたのか、顔が少し赤い。元々飲めないクチではないので、勢いをつける意味でも少しピッチを上げて飲んだのだろう。
「吾輩も飲んでおるぞ!筑摩のぱすたにはワインが合うのじゃ!」
「しれぇ殿ぉ〜、じぶんものんでいるでありますよぉ〜!」
「うおっ!?酒臭っ!」
ぐでんぐでんに酔っ払った様子のあきつ丸が抱き付いて着た。口から漂ってくる酒の香気はワインの物だ。酒の趣味が変わったとは聞いていたが、こんなに酒癖が悪いのか。
「あ〜あ〜、今度はこっち来て絡んでるんかキミぃ」
「龍驤!」
呆れ顔でやって来た龍驤は、俺に絡み付いていたあきつ丸を引き剥がしてくれた。
「何するでありますかぁ!しれぇ殿への感謝はこんな物ではないでありますよぉ〜!」
「その行動で提督が迷惑しとんねん!えぇ加減にせいっ!」
「ぐえっ!」
流石は元祖一航戦、といった所か。暴れるあきつ丸の延髄に手刀を入れて、一撃で気絶させてしまった。
「大丈夫か?ソレ」
「あ〜かまへんかまへん。いつもの事や。とりあえずコレ部屋に返して来るから、ほな!」
そういうとあの小さい体のどこにそんな馬力があるのか、あきつ丸を肩に担いだ龍驤は食堂を出ていった。
「さぁ、パスタを取り分けましたよ。夕雲ちゃん達も食べていって?」
「あ、ありがとう〜!いっただっきまーす!」
筑摩から皿を受け取った清霜ががっついている。俺達もそれぞれ筑摩からパスタを受け取る。
「でもビックリしました、龍驤さんてあんなにお強いんですね……」
「そりゃあの赤城と加賀の先輩に当たる存在だからな。強くない訳がねぇだろ」
そう答えながら筑摩のパスタを啜る。こんなカオスな状況でも美味いんだから、その腕前は推して知るべしってな。
「まぁ、空母の連中が怖がるのはホーショーさんとリュージョー位だからネー」
ムグムグとパスタを租借しながら、金剛が俺の言葉を繋ぐ。ウチの正規空母の一・二・五航戦はケッコンカッコカリを交わしている程の錬度の持ち主ではあるが、そんな彼女らでも頭が上がらない先輩が2人。それが鳳翔と龍驤の元祖一航戦の2人だ。この2人に技術を叩き込まれた連中だからこそ、厳しい訓練を思い出して見るだけで震え上がってしまうのだ。
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