第7章 聖戦
第158話 魔が……騒ぐ
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る口調でそう呟くジャック・ヴェルフォール。
いや、これは多少違うか。確かにコイツの心に余裕があるのは間違いない。しかし、それは自分の計画が万事上手く行っている事から生まれる余裕でもなければ、自らの能力に自信があるトコロから発生する余裕などでもない。
これは狂信者独特の余裕。この目の前に立つ黒い影は他人の命どころか、自らの命さえ信仰の為になら簡単に捨てられる人間だと言う事なのだと思う。
能力としては恐れる必要のない相手。但し、心の在り様は俺と違い過ぎ、正直に言うと恐怖心を覚える相手でもある。
「だが、未だゲルマニアから発進した竜の羽衣の編隊がある」
トリステインが持っていたたった一騎の竜の羽衣でも、精強な部隊として知られるアルビオンの竜騎士隊を打ち破った。
「数の上で圧倒的なゲルマニアの竜の羽衣の部隊。その中には大型の個体も存在する」
果たして、これでもリュティスが無事に終わると思っているのか?
アルザス……と言うか、ガリアの北部。特にゲルマニアとの国境に近い辺りは旧教の支配が強い地域だったはず。それに、当然、ゲルマニアの影響も強い土地柄だったと記憶しているので、ここでゲルマニアの姿が奴らの後ろに見えたとしても不思議でも何でもない。
更に竜の羽衣。これはおそらく才人が何処かから見つけて来た零式艦上戦闘機五十二型の事だと思う。奴の言葉を信用するのなら、大型の竜の羽衣とリュティスを燃やし尽くすと言う内容から想像すると、おそらくゲルマニアには戦闘機と大型の爆撃機が存在するのでしょう。
まぁ、ゲルマニアに戦車がある事は早い段階から分かって居たので、ここで戦闘機や爆撃機が出て来たトコロで別に問題がある訳ではない。
大体、バトル・オブ・ブリテンでコテンパンにやられたのが地球世界のゲルマニアに対応した国なので、その辺りから類推出来る実力の相手に俺がいるガリアが負ける訳はない。
そもそも、奴らの電撃戦に対抗する形で、霊的な意味でのマジノ線を構築していたのですから。……去年の夏休み以降は。弱卒、更に火竜山脈を越えて侵攻して来る可能性の高いロマリアとの戦争よりも、警戒すべきはゲルマニアの陸軍。ならば、奴らに対する備えは二重三重となっている可能性が高くて当然。
但し――
成るほど。……とワザと感心したかのような言葉を口にする俺。しかし、直ぐに続けて
「どうやらヴェルフォール卿は、トリステインの竜の羽衣に対して燃料と弾薬を提供したのが他ならぬガリアである……と言う事実を御存じないようですね」
……と告げた。
そう零戦と雖も、所詮はレシプロ戦闘機。使用する燃料はジェット燃料などではなくガソリン。それなら俺の式神ソロモン七十二の魔将の一柱ハルファスならば、地球
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