暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic20-C幕間〜Their Expectation〜
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」とうとう折れた。これで満場一致による“聖王のゆりかご”の破壊が決定された。そして議会は閉会となり、当主たちは思い思いにそれぞれの仕事へと戻って行った。
「どいつもこいつも馬鹿ばかりだ・・・! ゆりかごという強大な力を使うでもなく破壊するだと・・・? そもそも奴が、ヴィヴィオ様やゆりかごを時期早々に起動させるからいけないのだ! 本来であれば、本件にゆりかごは投入しないはずだったのに! 奴は我らの計画を手伝って起きながら、破綻させるのか・・・!」
周囲に誰も居ないことを確認したトラバント卿は、怒りに任せて廊下の壁を殴った。魔力による強化もしていないにも拘らず、壁に少しばかりの陥没とヒビを与えた。そんな彼の背後から歩み寄って来る人影。トラバント卿はハッとして振り返る。
「はぁ。お前か、プラダマンテ」
「お兄様、随分と荒れているようですが何かありましたか?」
トラバント卿に歩み寄っていたのは彼の実妹、プラダマンテだった。騎士でありシスターでもあるため、服装は修道服だ。尻ほどまでに伸びた長い緋色の髪は外はねで、どこかハリネズミを思わせる。瞳は紫紺色だが、今は不安の色を湛えている。
「ヴィヴィオ様が奴らに拉致されたのは知っているな」
「ええ、騎士団内でも騒ぎになっています。召集が掛かればいつでも救出任務へ出撃できます」
プラダマンテの瞳に力強い光が戻るが、トラバント卿の「救出しなくていい」予想だにしないその発言に、「はい? 一体、どういう・・・」彼女は困惑する。
「先の会議にて、聖王のゆりかごを破壊することが決定された」
「っ!・・・そうですか。かの計画でゆりかごを投入する、とのことでしたが・・・。さすがにここまで大事になってしまっては、聖下たちのお決めになった通り破壊するしかないかと・・・」
「なに!? お前もそう言うのか、プラダマンテ!」
兄の急な怒声に、プラダマンテはビクッと肩を竦めた。トラバント卿は「ゆりかごを破壊するなど言語道断! アレは聖王の至高の聖遺物なのだ!」と声を張り上げる。プラダマンテが落ち着かせようと試みるが、「それなのに、聖下や他の当主は何故わからない!」と怒りが収まることはない。
「はぁはぁはぁ・・・! プラダマンテ。ヴィヴィオ様を取り返す必要はない。ゆりかごの鍵として、当初の予定通りにその生涯を捧げてもらう。必要なのだ、聖王教会にも戦艦クラスの戦力が。解るな?」
「しかし! 私たちの計画から外れたプライソンが新たに立てたミッド支配という計画の通りにゆりかごが運用されれば、ミッドを守護する事どころか壊滅的被害を受ける可能性もあります! それを見て見ぬふりをしろと!? 騎士でもある私に!」
「今は起動さえすればいいのだ。我々を裏切ったプライソンとその一派の
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