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Eipic20-C幕間〜Their Expectation〜
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オ様とフォルセティ君を生み出した。血筋の絶えた聖王の復活は喜ばしいことです。たとえ出生がどのようなものであれ。ですが聖王の血筋であれ、戦乱とは関わりない現代を生きる1人の少女。それをゆりかごを動かすためだけに犠牲にするのは看過できません」

マリアンネは噛みしめるように六家当主たちに語る。トラバント卿を除く6人は小さく頷きを見せ、マリアンネの意見に同意している。

「聖王のゆりかごは確かに教会のシンボルとなりましょう。しかし運用コストがあまりにも非人道的で非効率。よって・・・聖王のゆりかごは接収することなく、管理局と協力して破壊することを決定します」

マリアンネが下した結論は“聖王のゆりかご”の破壊だった。ヴィヴィオのこれからの人生を思い、次いで次元世界の安寧のため、聖王家に縁ある至高の聖遺物になるだろうが、その存在が戦乱を引き起こす可能性のある戦艦であることを考えてだ。

「異議のある者は手を挙げなさい」

「「「「「異議なし」」」」」

「・・・トラバント卿。手を挙げたのはあなただけですね。・・・あなたはゆりかごの接収を望みますか、どうしても?」

「当然です。こればかりは引けません。ただ運用は諦めましょう。しかしゆりかごは必ず教会が接収するべきです。たとえ使えない物だとしても、歴史ある戦艦です。その価値は計りしれません。戦艦としての運用は出来ずとも、また違う使い道があるかもしれません。たとえばゆりかごに使われている技術の解析などです。そのことから、私はゆりかごの有用性を説き、破壊に反対します」

「なるほど。しかし動かない戦艦など邪魔じゃないかの〜。資料によれば全長数kmの弩級艦。置き場所はどうするつもりかな?」

「北部ノーサンヴァラント海・オークニー諸島で一番大きいナウンティス島。あそこは無人島ですし、置き場所としては十分かと思いますが?」

卓上に展開されるモニターに、ナウンティス島が表示された。一面が起伏の無い森なため、着陸させるのには問題ないだろう。断崖絶壁なため海上からは上陸は難しそうだが、内陸へ向かうための細い海路があることは確認できる。海路からの侵入者はその海路入口を警備すれば済み、空路からの侵入者も適当に防空戦力を用意すれば良いだけだ。

「ふむ。場所の問題はクリアだな」

「ならば!」

「トラバント卿。いい加減に諦めなさい。ゆりかご自体が存在していることにすでに問題があるのです。それに、ゆりかごを起動させる前にヴィヴィオ様を奪還することになります。ゆりかごは飛ぶことなく、そのまま葬られるでしょう。ゆえに、これ以上の議論は無用ということです。よろしいですね?」

「っぐ・・・!」

マリアンネの断言によってトラバント卿はギリッと歯噛みしたが、「判りました。破壊に賛同します
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