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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic20-C幕間〜Their Expectation〜
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戦艦を所有するのは、管理局から反感を受けるは間違いないわ」

「管理局ばかりに戦力を集めるのはどうかという問題なのですよ、レディ・アルファリオ。管理局と我われ聖王教会は同格であるべきなのです。規模は小さくとも、次元世界の秩序維持に力添えしています。戦闘の行える次元航行艦は1隻と所有していない今、ゆりかごを手に入れるべきだ」

そう力説するのはトラバント家の当主である中年の男性で、銀薔薇騎士隊ズィルバーン・ローゼの隊長にして剣騎士最強のプラダマンテの兄である。彼はミッドチルダ地上本部の防衛長官であるレジアス・ゲイズ中将に近く、少しばかり度を超えた危険な思想を持っている。

「しかしな、トラバント卿。ゆりかごの起動および運用には、ヴィヴィオ様を鍵として生け贄に捧げなくてはならんのだぞ? あのような幼い娘を、二度と人として過ごすことの出来ないようにするのか?」

「我らは聖王を崇める聖王教会。その聖王をゆりかごを動かすだけの、自我の無い生体部品にするのは間違っている」

「グラシア卿とヴィルシュテッター卿の言う通りかの。トラバント卿。ゆりかごは現代には無用の長物。次元世界やヴィヴィオ様個人のことも考え、二度と利用されぬように破壊するのが吉だろうて」

「何を世迷言を、ヴァルトブルク翁! ゆりかごを破壊するなど言語道断! ゆりかごこそ、聖王教会、ひいては次元世界を守る力となるだろう! ヴィヴィオ様には申し訳ないが、その幼さを武器に長く鍵の聖王として、その生涯を終えてもらおう!」

「言葉が過ぎるぞ、トラバント卿! ヴィヴィオ様の、いや人の命を何だと心得ておる!」

「しかしあの娘は、オリヴィエ聖王女様のクローンだと言うではないですか。替えが利くのです。オリヴィエ陛下のクローンを生み出し続ければ――」

トラバント卿がそこまで言ったところで、ガァン!と卓上に両手の平を叩き付けた音が室内に響いた。今まで話していた6人の男女の視線が、これまで無言を貫いていた女性へと向けられた。白い祭服に宝冠(ミトラ)を頭に被り、その恰好から教皇であることが判る。

「黙りなさい、トラバント卿! 言うに事欠いてクローンを生み出し続けるなど、聖王に、生命に対してなんたる冒涜、不遜にして不敬か! 愚考と知りなさい!」

「しかし、マリアンネ聖下!」

教皇マリアンネ。フライハイト家の現当主にして聖王教教皇、ベルカ自治領ザンクト・オルフェンの実質の統治者だ。そしてイリスの母親でもある。そんな彼女の一喝にトラバント卿はたじろいだが、すぐに反論を試みようとした。しかし「よさんか、トラバント卿」他の当主たちが窘める。

「教会本部より盗まれたオリヴィエ様の聖骸布と魔神オーディンの髪環。プライソンは2つの聖遺物からお二方の遺伝子を採取、そしてヴィヴィ
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