暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic20-C幕間〜Their Expectation〜
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
シリオンと“エグリゴリ”は敵対している。そう、ルシリオンを殺そうとしているのだ。だと言うのに、リアンシェルトの話を聴けばまるで戦わせないようにしたい、と願っているようにも聴こえる。自分たちの手で殺してこそ意味がある、と言うのであればジェイルも納得できるが・・・

(どうもヴァスィリーサ少将のこれまでの行動は、ルシリオン君を護っているようにも思えてくる)

すずかや、彼女が属するチーム海鳴越しで手に入れてきたリアンシェルトの行動から見るに、敵として徹底しきれていない気がしてならないジェイル。以前彼は、ルシリオンに殺し殺されるような間柄のリアンシェルトが居て不安ではないか?と訊ねたことがある。

――今の俺じゃ、弱過ぎて戦う気にもならないんです、と。リアンシェルトより弱いエグリゴリであるレーゼフェアとフィヨルツェン、この2機を救ってから戦ってあげるとのことだ――

「ならばレーゼフェアを使ってはどうか? 同じエグリゴリとして、あなたより格下なのだろ? レーゼフェアを使ってプライソンを殺せばいい。そうすればあなたや最高評議会、管理局、管理世界、全ての悩みの種が消え去る」

「・・・お前には関係ないでしょう? エグリゴリについての発言をもう一度してみなさい。永久凍結をして、夢すらも見ない永遠の眠りを贈りますから」

「・・・っ!」

リアンシェルトから急に放たれる殺気にジェイルは数歩と後退した。踏み込んではいけない領域、触れてはいけない秘密、口にしてはいけない禁句。彼はそのどれらにも抵触しているのだと察した。

「判った。・・・では本題に入ろうではないか。私に何をさせたい」

「プライソンの暗殺。機動六課や聖王教会騎士団が連中と衝突する前に・・・」

「願ってもない依頼だ。しかしあなた方、権威の円卓には1111部隊という暗殺部隊があるではないか。彼らは使わないのかい?」

「暗殺は人目のないところでこそ意味のある行為だと、その程度も解らないあなたではないでしょう? それに、ルシリオンを暗殺に仕向ける気でしょうから、彼より弱い1111部隊を出すまでも無いのですよ」

「これは失礼をした。ではプライソンの暗殺は私が引き受けよう。しかし問題がある。プライソンのアジトがどこにあるか、だ」

「現在、管理局・教会騎士団が鋭意捜索中です」

ジェイルが渋い表情になる。2つの組織の物量捜索作戦より早くプライソンのアジトを見つけなければならない。彼だけではまず不可能な仕事だ。だが「娘たちも一緒に釈放してくれ」ジェイルにはとても頼りになる娘たちが居る。ゆえに彼は、自分だけでなく娘たちの釈放もしてほしいと願った。

「・・・いいでしょう。ではすぐに行動に入りましょう。最高評議会に感づかれては面倒です」

「何を言う、ヴァス
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ