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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic20-C幕間〜Their Expectation〜
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ていただけ――」

ジェイルが最後まで口にする前に解錠されたスライドドアが開き、彼を解放しに来た局員の姿に思わず口を噤んだ。

「ヴァスィリーサ少将・・・!?」

そこに佇んでいたのは1人の女性、リアンシェルト・キオン・ヴァスィリーサ。階級は少将、役職は本局運用部・総部長。そして管理局において最高・最強の魔導師、トップエースだ。

「あなたに話があったので、こうしてオフレコでやって来たのです」

リアンシェルトはそう言って、キュッと唇をきつく結んだ。彼女は本局勤めであるにも拘らず、遭遇率が低いレアキャラとしても有名だ。故にジェイルも、まさかリアンシェルトが拘置所に現れ、しかも自分を解放してくれたとなると驚かざるを得なかった。しかもジェイルは聴いている。彼女が、ルシリオンの敵・“エグリゴリ”の1機であると。

「少し失礼しますね。ここの牢は通信や念話などの妨害がされているため、直接出向かなければ話も出来ませんでしたから」

リアンシェルトはジェイルを牢の奥へと押し戻しながら自身も入り、スライドドアを閉め直した。彼女はぐるりと室内を見回して、「さて」ベッドに腰掛けるや否や口を開いた。ジェイルはその強引さに口を半開きにしていたが、「いや、待ってくれ」かぶりを振って口を挟んだ。

「何か?」

「何を目的としてここへ来た?」

「そう警戒せずともよろしいですよ、スカリエッティ少将。最高評議会の下した判断は、プライソンの殺害です」

「っ!・・・そうかい、やはりね。彼は少しばかり遊び過ぎた。粛清されたとしても構わない。私としても、彼の殺害に賛同しよう。捕らえたとしてももう御することは出来ないだろうからね」

ジェイルは大して反感も抱かずにそう返した。嘘でも冗談でもなく本心でプライソンの殺害計画を受け入れた。リアンシェルトは「賢明です。少しばかり反対を受けると思っていましたが」彼の答えに、僅かばかり眉を顰めた。

「プライソンが私の兄だから、と? 肉親だと思ったことは一度ともなく、科学者の面汚し・・・純粋に敵だとしか思っていないよ」

ジェイルが医療技術として生み出した全身サイボーグ化技術BNAC。それを兵器転用したり、サイボーグ化するためにわざわざ人工的に人間を造り出しては改造なども行う倫理から外れた下種、それがプライソンだ。

「それで、私を訊ねて来たのはどう言った理由からなのかな、ヴァスィリーサ少将?」

「機動六課の特務調査官として出向していたルシリオン・セインテストに、内務調査部から特例として戦闘参加許可を受けました。最高評議会はそれに乗り、彼にプライソンを殺害するよう指示を出すでしょう。ですから彼を戦場に出す前に、プライソンを始末する必要があります」

ジェイルの頭の中に?マークが浮かぶ。ル
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