暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
嗚呼、懐かしの烏賊尽くし・その3
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ねたタネを小判型に成形。後はバッター液とパン粉を付けて、油に静かにIN。十分に熱せられた油から、ジュワアアァァァ……と美味そうな音が響く。

「あら〜?あんまり跳ねないんですね?」

 そうカウンター席から尋ねてきたのは愛宕だった。俺のイカ談義を聞いて居ても立ってもいられなかったらしく、開店直後にやって来て、《韓国風イカばくだん》と『村尾』のロックで一杯引っ掻けていた。

《提督特製!韓国風イカばくだん》※分量3人前

・ひきわり納豆:2パック

・山芋5cm位(もっと多くてもOK)

・オクラ:5本

・イカ刺し80〜100g位(量によって味を調節)

・きゅうり:半分

・【韓国風漬けマグロ】:200g材料は↓

・マグロブツ:200g

・コチュジャン:大さじ1

・醤油:大さじ1.5

・すりごま:大さじ1

・ごま油:小さじ1

・※その他刻んだ沢庵なんか入れても美味いぞ。

 漬けマグロさえ作っておけば、後は全ての材料を細かい角切りにカットして混ぜるだけ。韓国海苔に巻いて、ご飯に載せて。……あぁ、卵黄載せてグチャグチャに混ぜても美味いな。


……話が逸れた。フライが油はねしない、って話だったな。

「そりゃそうだ、イカの揚げ物っつっても、油が跳ねやすいのは天ぷらと唐揚げ、フライは跳ねにくいのさ」

「へ〜、何でですか?」

「天ぷらも出してやるつもりだから、そん時にな」

「んもう、ケチ!」

 そんな会話を交わしている内に、フライが良い色になってきている。油から揚げてサッと油を切り、ウスターソースに両面を潜らせる。衣がベチャッとならない程度に、あくまで軽くな。何なら、潜らせないでかけてもOKだ。後は上にマヨネーズと青のり、花鰹をかけたら完成。

「へいお待ち、『イカのお好み風フライ』だよ」

「で、では頂こう!」

 店内が静まり返る。皆が固唾を飲んでグラーフに注目している。フライを箸でつまみ上げ、控え目に小さくかじりついた。サクリ、と軽い衣の歯応えが響く。サクリ、サクリと咀嚼していくグラーフ。

「……海を感じるな」

 ポツリ、とグラーフが言った。

「魚のフライは色々と食べた。タラやサーモンのフライは私も好物なんだ。しかし、それとは明らかに違う味だ」

 再びフライにかじりつくグラーフ。今度は先程よりも大きめに、青のりや花鰹も口に含んだ。口の中は今頃、海の薫りが充満している事だろう。

「魚とは全く違う。甘くて、モチモチしていて、コリコリしている。とても美味しいよ、アトミラール」

 おぉ……とざわめく他の客達。

「これは日本酒よりもビールだな。アトミラール、アサヒを頂けるか?それと、フライのお代わりも」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ