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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#40
星魔の絶戦 千変VS星の白金FINAL〜Star Platinum The World〜
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 立ったのか、立たされたのか、両者の惨況は微風にも毀れる朽木である。
 顔をあげる余力も惜しいのか、風貌は俯いたまま眼も合わせられない。
 だがコレはこの最後の “決闘” を果たす為の必然の構え、
僅かに残った夜露の如き力、それを拳一極に集束し
全精力を搾り尽くして撃ち放つ。
 さながら、撃鉄を起こした拳銃を互いの眉間に押し当て、
銃爪(トリガー)を引き絞る(タイミング) を計るが如く。
故に共斃れの可能性も十二分、闘争と生存の 『限界点』
何がなんでも生き延びるという誓約の反面、
断崖の絶壁から身を投げるような、
必死の境界を躊躇いなく踏み越えるという
矛盾した精神を同時に要求される試練。
 だが、ことこの局面に於いて両者の精神状態は明確な対称差を生じさせた。
 シュドナイは口中の歯牙が砕ける程に闘気を高め、
暴虎馮河の勢いで最後の絶撃を放とうとするが一方、
承太郎、は――
「……」
 その口唇に、穏やかな微笑さえ浮かんでいた。
 スベテを受け入れ、スベテを慈しむ、古の殉教者であるかのように。
 互いの全存在を真正面からブツけ合ってきた星魔の絶戦、
その終結の光景には余りに不釣り合いな彼の精神状態。
 打撃の基本は射出時の脱力とはいえど、
今のシュドナイはこの最後の一撃すら堪えかねない気炎、
余裕などない筈、少しでも緩みをみせれば暴魔の獣拳により
首を喰い千切られる状況。
 だが、メリメリと張り詰めていくシュドナイの戦闘神経とは裏腹に、
承太郎に微細な変化も起こらなかった、
流した血の量が多すぎ、もう絶命しているかのように。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアア
アアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――――
――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 コレまでにない咆吼を発し、猛虎の形態と成ったシュドナイの終撃が
承太郎の喉元に襲い掛かった。
 瞬現するスタンドの幻 像(ヴィジョン)、ソレが撃ち出す最後の星拳が
猛虎と交差してシュドナイの顔面を直げ、――否、 “擦り抜けた”
(な――!?)
 相手の攻撃を受けつつも決して怯まず、
終撃を貫くと覚悟していたシュドナイの精神が空転した、
承太郎のスタンドは攻撃を繰り出していない、
闘気のみ、威圧感(プレッシャー)のみを射出したのだ。
常軌を逸した速度(スピード)のために、
遣い手(シュドナイ)(レベル) が高過ぎるが故に
起こった刹那の幻撃(マボロシ)
 だが幾ら速いとはいっても幻撃(マボロシ)幻惑(マボロシ)
既に射出されたシュドナイの終撃は止まらない、驚愕の隙を突く暇などない。





 グァ
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