第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#40
星魔の絶戦 千変VS星の白金FINAL〜Star Platinum The World〜
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精力を搾り尽くす、
虚栄も体裁も捨て去って魂の裡側まで剥き出しにしなければ
『新たなるモノ』 は生み出せない。
空条 承太郎と “千変” シュドナイ、
この 『総力戦』 が始まるまでは拮抗していた全員の力量が、
今明らかにこの二人を 『頂点』 として終息に向かっていた。
敢えて断言する、この戦いを征した側こそが、最終的な勝利を掴む。
途中の過程や残存勢力は関係ない、如何なる戦いも、
『運命』 の流れを引き寄せた者こそが最後の勝者としてスベテを得る。
無論そんな事など、この二人に自覚はない、
拍手も称賛もない孤高の戦場で、
ただ相手を討ち倒すためだけに血肉を拉ぎ心魂を削る。
既に、酷使に酷使を重ねた両者の四肢は、
その更なる強引な兼用により惨憺足る有様を呈している。
おそらく、今や痛み以外の感覚はないであろう。
流れる血 (火) は躯の至る箇所を伝い
罅割れ亀裂の入った骨は数え切れないほど、
末端の脆い部分は既に折れている。
加えてその圧力の累積に堪えきれない臓腑は破裂寸前、
剥き身の真剣で斬り合う以上の致死率を今尚増上させ続けている。
グォギィィィィィィッッ!!
疲労と創痍の影響で意志に反し動かなくなった四肢に代わり、
両者が共に用いたのは頭部であった。
石板を叩き割る威力で真っ向から搗ち合った額から、
鮮血と紫炎が痛ましく噴出する。
躯を縦に割く激痛の後霧散する意識、
糸の切れたマリオネットのように折れ曲がる脚、
そのまま擦れ違い様、荒廃の大地に両者は伏する。
額から滴る血に染まる美貌、正直、もう身体が動かない、
全細胞に浸透する痺れと倦怠、
このまま意識という軛 から手を離し、永遠に眠っていたい。
だが、声がする。
遠く向こうから、他の誰よりも近くから、
立って戦えと、己の精神を急き立てる。
「解っ、てるよ……ちょっと、寝てた、だけだろ……
だから……そんな顔すんな……泣くんじゃねぇ……」
譫言にもならないか細い声で呟き、
承太郎は痙攣する両手で無理に地を掴んだ、
背後で宿縁の男も身を起こし始めている。
「うるせぇうるせぇうるせぇ、か……」
だがその声が、崩れ去りそうになる躯を支えてくれる、
一人でも独りじゃないと訴え続ける。
ソレが精神に与えた影響か?
承太郎の躯からごく僅かながら、白金の燐 光が立ち昇った、
正真正銘、最後の一撃、
しかし込められた想いは、何よりも強い力。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッッッ!!!!
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