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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
25話『日常への帰還』
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…」
先ほど最後にお見舞いに来たG−アームズの『ガンダイバー』と武者五人衆の『武者仁宇』の二人が出て行った頃に詩乃が目を覚ます。
「あっ、目が覚めたか?」
先ほどお見舞いに来てくれたガンダイバーの持ってきてくれたリンゴを剥いている四季と目が合う。
「……普通逆じゃないの?」
「いや、オレが目を覚ましてた時には詩乃が寝ていたし」
先ほどまで寝顔を見られていた事が恥かしかったのか、毛布で口元まで隠すと恥かしそうな目で睨みながらそう言う彼女に、皮を剥き終わって一口サイズに切って小皿の上に置いたリンゴに爪楊枝を差し出す。
「……ありがとう」
二人で仲良くリンゴを食べている二人。顔を真っ赤にしている詩乃は四季の顔をジト目で睨む。そんな様子も四季には『可愛い』と言う感想しか浮かばないが、そんな表情をしている意味を考えると浮かぶ感情は一つだ。
「ねぇ、四季……何か言う事は無いの?」
彼女のその言葉に四季は手に取ったリンゴを口の中に放り込むと、
「……心配かけてごめん」
そう言って謝る。そもそも、先ほどまで二度に渡って医務室に運び込まれたのだ……心配をかけていないわけがない。寧ろ、それで心配して貰えないのなら本気でショックで一ヶ月くらいは落ち込む。
「分かってるなら許してあげる」
そう言って彼女は顔を伏せる。
「分かってなら、もう心配かけないで」
弱々しくもはっきりと物言う最愛の少女の言葉に余計に申し訳なさを覚える。
「悪いけど、『極力』としか言えない」
「それは分かってるわ……けど」
「それに、オレだってそうそう何度も運ばれたくないし、心配かけないように気をつける」
「……今はそれで許してあげるわよ。でも」
『心配かけたお詫びに買い物に付き合って』と言う彼女に思わず苦笑する。そろそろ臨海学校の時期なので買い物に行く必要も有るだろう。この間の一件で潰れてしまったデートの埋め合わせにも丁度いい。
「それで何処に行きたい? どこでも良いよ」
買い物の予定からその日のディナーまでしっかりと準備しておく。当然ながら代金から荷物持ちまで受ける心算ではあるが、
そんな四季の言葉に詩乃は暫く考え込むと……ニヤニヤしながら口を開き、
「じゃあ、ラン……」
「すみません、其処は勘弁してください」
「どこでも良いって言ったじゃん」
「あそこは健全な男が入って良い場所じゃないので」
拗ねた様に言う彼女に全面降伏する四季。まあ、本人も冗談だった様子でそんな四季をクスクスと笑っている。彼女にしてみれば心配かけた罰……と言う事なのだろう。
そうして死闘を終えた蒼き勇者は己の戻るべき日常へと戻ったのだ
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