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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
25話『日常への帰還』
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二つの脅威の名は、獣騎士ベルガ・ダラスと聖機兵ルーンレックス。
 この短期間に二度も強大な力を持った敵が学園を襲撃して来た……正確に言えば後者は学園内のISが暴走・変貌したのだが、本来ならば一年に一度起こるか起こらないかと言う様な事件が、だ。今まで犠牲者が出ていないのが不思議なくらいだ。
 二度の学園の行事が既に続け様に中止になってしまっているのは、対外的にも拙いだろう。特に二度目のトーナメントは外部からの来賓も来て居たと言うのに、だ。最も、データ取りの為に後日一回戦だけは全試合行なわれるが。

「それにしても、五峰くんもDEMの専用機も凄いですよね、二度の事件を解決した中心人物は彼ですからね」

「ああ、そうだな」

 内心では複雑な心境の千冬だった。既に血縁上の繋がり程度しかないとは言え、弟である四季が活躍する姿は姉として嬉しいが……四季の中には自分が与えられた物が何一つ存在して居ない事に一抹の寂しさを覚える。

(……今更だが、四季(あいつ)にとって“姉”と言うのは束の方だったのかもしれないな……)

 だからこそ、せめてISだけでも与えてやりたかったが、四季の元は既にヴレイブとゼロ炎の二機があった。与えたかった蒼式も既に白式の修復に使われ、残されたのは一振りの武装だけだ。……せめて、これだけでも受け取って貰えないかと考えずには居られない。








 IS学園某所……

「くそっ!」

 苛立ちを隠す事無く秋八は拳を壁に叩き付ける。

「このぉ、役立たずが!!!」

 周囲に人影が無い事を良い事にガントレット状の待機状態の黒式を秋八は地面に叩き付ける。

「この役立たずが、ガラクタが、屑が!!! お前が欠陥品だからボクがこんな目に会っているんだよ!!!」

 四季のヴレイブの様に完璧じゃないのか、一夏の白式の様に力を発揮できないのかと、己の機体に対して苛立ちを、全ての不満を叩きつけていた。
 はっきり言って秋八が己の機体に対して向けている不平も不満も実際は的外れだ。ヴレイブは完璧などではなく、四季と共にある為に作り出された不完全な機体であり、一夏の白式が発現した力はクレニアムモンの力だ。

 今回のトーナメントでも秋八はルーンレックスどころか、VTシステムの前に完膚なきまでに負けてしまっていた。幸いにもあの時アリーナに居た一夏達しか其処には居なかったが、またも『こいつ、何しに出て来たんだ?』と言う目で見られていた。

「……チッ! こんな物でもボクが本来持つべき機体を手に入れるまでは大事な繋ぎなんだ……」

 地面に叩き付けた黒式を拾い上げると整備室へと向かって行った。使え無いと言うのならば仕えるように改良すればいいと考える。

(この世界の主人公はボクの筈な
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