その女、露出狂につき(後編)
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じそと使っていない材料全てをミキサーに入れ、ペースト状になるまでかき混ぜる。
後は茹でたパスタとタコ、トマト、ソースをボウルに入れて混ぜ、器に盛ったら完成だ。
「お待たせ、『タコの和風ジェノベーゼ』だ。バジルの代わりに日本のハーブの紫蘇を使ってみた。」
「シソは初めて食べますね……んん、バジルよりも後味が爽やかな感じです!冷たいパスタがよく合いますね♪」
言われてみればそうだな、青じそは素麺や冷や麦、場合によっては冷たい蕎麦なんかの薬味にも用いられる。冷製の麺料理との相性はバッチリな訳だ。
「こっちのパスタもとってもおいしー♪ですね。提督……赤と白、どっちにしよう……あ〜めんどくさ〜い!両方持ってきてぇ〜!」
この期に及んでまだ飲もうというのか、ポーラ……。お姉ちゃんの顔がマズイ事になってるぞ…?
「ポーラぁ……?」
瞬間、ザラがポーラの頭を鷲掴みにした。表情は笑顔だ。…だが、青筋がヒクヒクしており明らかに笑っていない。途端に青ざめるポーラ。
「ダメよぉ……ポーラ。私達明日からお仕事なんだから、飲みすぎたら起きられないわよ…?」
ザラの気迫は鬼気迫る物がある。まるで深海の鬼・姫級と対峙しているかのような圧迫感を感じる。
「アッハイ、ゴメンナサイ……。」
既に戦意喪失したポーラは小さく謝る事しか出来ない。
「じゃあ提督、私達帰りますね。御馳走様でした♪」
「お、おぅ。明日寝坊しないようにな〜……。」
ポーラに向けていた気迫は何処へやら。帰ると決まった途端に元に戻ったザラを見送りながら、心の中の『怒らせちゃいけない艦娘リスト』に、そっとザラの名前を書き足す提督であった。
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