暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
その女、露出狂につき(後編)
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
じそと使っていない材料全てをミキサーに入れ、ペースト状になるまでかき混ぜる。

 後は茹でたパスタとタコ、トマト、ソースをボウルに入れて混ぜ、器に盛ったら完成だ。

「お待たせ、『タコの和風ジェノベーゼ』だ。バジルの代わりに日本のハーブの紫蘇を使ってみた。」

「シソは初めて食べますね……んん、バジルよりも後味が爽やかな感じです!冷たいパスタがよく合いますね♪」

 言われてみればそうだな、青じそは素麺や冷や麦、場合によっては冷たい蕎麦なんかの薬味にも用いられる。冷製の麺料理との相性はバッチリな訳だ。

「こっちのパスタもとってもおいしー♪ですね。提督……赤と白、どっちにしよう……あ〜めんどくさ〜い!両方持ってきてぇ〜!」

 この期に及んでまだ飲もうというのか、ポーラ……。お姉ちゃんの顔がマズイ事になってるぞ…?

「ポーラぁ……?」

 瞬間、ザラがポーラの頭を鷲掴みにした。表情は笑顔だ。…だが、青筋がヒクヒクしており明らかに笑っていない。途端に青ざめるポーラ。

「ダメよぉ……ポーラ。私達明日からお仕事なんだから、飲みすぎたら起きられないわよ…?」

 ザラの気迫は鬼気迫る物がある。まるで深海の鬼・姫級と対峙しているかのような圧迫感を感じる。

「アッハイ、ゴメンナサイ……。」

 既に戦意喪失したポーラは小さく謝る事しか出来ない。

「じゃあ提督、私達帰りますね。御馳走様でした♪」

「お、おぅ。明日寝坊しないようにな〜……。」

 ポーラに向けていた気迫は何処へやら。帰ると決まった途端に元に戻ったザラを見送りながら、心の中の『怒らせちゃいけない艦娘リスト』に、そっとザラの名前を書き足す提督であった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ