REY
レイ 前編
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「…………珍しいですね。レイ君が過去を気にするのは。今まで一度も聞いてこようとしてきませんでしたのに」
「ちょっと事情があってな………」
自嘲気味に苦笑いをする。しかし、レイナはそれを悲しそうに見てきた。
「レイ君…………話すことは別に構いません。けど、今の状態で話を聞いても、レイ君が耐えられるか分かりません。恐らく、心が折れてしまう可能性だってあります。
私は、これ以上レイ君に辛い思いをしてほしくないんです。例えレイ君に嫌われようと、私はあなたに傷ついて欲しくないんです」
「…………分かってる。レイナの気持ちは、痛いほど分かってる。本当は話したくねぇんだろ?今すぐにでもやめてほしいんだろ?けど、聞かなきゃいけねぇんだ。じゃなきゃ、俺は前に進めねぇんだ…………」
「…………分かりました。では、話しますね」
ーーー−−
始まりは、小学生の頃でした。私の親友のレナから、レイ君がテレビで観たあるものに夢中になり、馬鹿な発言をしたそうです。
「母さん!俺天之川学園に行く! 」
聞いた私も驚きました。まさか、小学生がそんな発言をするとは思いませんでした。だって、テレビを見て高校に行く発言をする小学生なんて初めてです。
ーーー−−
「ちょっと待ってくれ。じゃあ、急に宮城に引っ越して、無理矢理ここの高校に入学させたのも…………」
「全てレイ君のためと、あなたのお母さんからのお願いです。そのためのお金も彼女から預けられていたんです。間違って使ってしまったら申し訳ないという理由で」
おっちょこちょいのところがありましたから、と付け加えて言った。
「ですが、レイ君は記憶喪失になり、レイ君のお母さん……レナから預かっていたお金をどうするか悩みました。ならば、せめて小さい頃のレイ君の願いは叶えようと思い、引っ越しを決意しました」
「そうだったのか…………ん?待ってくれ。今、俺の母親はどうしてるんだよ? 」
「…………それも、これから話します」
ーーー−−
そして、レイ君は中学生になりました。レナから聞いた限りでは、成績優秀に運動神経抜群で店の手伝いをするしっかり者に育ったと言ってました。
しかし、レイ君はある日突然倒れたそうです。
詳しいことは聞けませんでしたが、重い病気を患ってたようです。それも、命に関わるほどの病気を。今はもう大丈夫らしいですが。
それからはレイ君は気丈に振る舞っていたそうですが、以前よりも明らかに元気が無かったそうです。
そして、事件が起きました。
それは、学校内で起きた、殺戮事件です。
ーーー−−
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