REY
レイ 前編
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「…………違ぇよ。俺は、責任を誰かに押しつけたくて、話を聞いてたんだな。なんだよ…………全部、アイツの言う通りじゃねぇかよ………」
「っ──! 」
「……レイナ。他に話せることはあるか? 」
「……………今は……ないです」
「…………そっか」
椅子から立ち上がり、レイナの部屋から出ていく。
「わざわざありがとうな。邪魔したな」
「!どちらに行くんですか? 」
「………………」
何も答えず、靴を履いて外に出る。
「レイ君! 」
孤児院の中から声が聞こえたが、構わず歩いていく。日は落ち始め、空も暗くなってきた。まるで、今の俺の気持ちを表しているかのようだ。
ーーー−−
「確かこの辺りだったような…………あれ? 」
孤児院への道を歩いていると、カグラ君らしき人物を見かける。
「カグラ君! 」
大声を出して呼んでみるも、距離があるためか聞こえてないようだ。
「なにやってんのよもう………」
走って追いかけようとすると、身体がフラついて思うように動けない。そういえば、起きてもすぐに気を失わされたし、オマケに何も食べてないんだった。
「せめて皆に連絡しないと…………」
スマホを取り出そうとしたところで視界が歪み、バランスを崩して倒れる。
「危ない! 」
咄嗟に誰かに支えられ、コンクリートの地面にぶつかることは無かった。しかし、疲労のせいか、既に私は眠りについていた。
「あれ?この子は確か…………」
ーーー−−
「どこ行きやがったんだアイツは……」
住宅街を走り回り、カグラの事を探す。しかし、一向に見つかる気配は無く、路地裏にでも行ってんのかと思った。…………いや。路地裏は最後に探すか。
「って、あれ? 」
遠くを見ると、見たことのある人物が走っていた。
「…………たくっ。素直じゃねーんだからよ」
となると、あっち側は任せて大丈夫そうだな。これで少しは捜索範囲が広がった。
「カグラ…………待ってろよ」
ーーー−−
「…………ヘンなトコロにデタ」
見たことがない場所に出て、周囲を見渡す。
「マイゴ………じゃないから、このままススんでみよう」
行く先不安になるような発言をしたが、本人は気にせず歩いていった。
ーーー−−
「ん…………? 」
「あっ、目を覚ましましたか? 」
目を開けると、見たことのある人の顔が視界に映った。確か、レイナって人だっけ?
「ここは? 」
「孤児院の中です。ビックリし
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