REY
レイ 前編
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「………………はっ? 」
ちょっと待ってくれ。いきなり話がぶっ飛び過ぎてついていけねぇんだけど。
「その様子は無理もないです。私も同じ反応でしたから。詳しい内容は秘匿にされてますが、レイ君だけが生き残りました。他の皆は殺され、レイ君だけが…………」
わなわなと手を震わせながら、レイナは話す。
「そし、て…………その日は不運にも…………親子行事、でし、た」
「まさか…………その時に母親が…………」
レイナは何も言わない。いや、正しくは言えないのだろう。手を強く握り、身体も震えている。
「犯人は、その時に亡くなったと……なっています。唯一生き残ったレイ君が、犯人ではないかと疑惑を持たれましたが、現場証拠で無実となりました…………」
「っ───! 」
急に頭痛が襲い、頭に映像が流れる。頭を押さえて、痛みに耐えようとする。
流れてきた映像はいつもより鮮明であり、誰かが覆い被さるように抱きついて俺の口を押さえていたが、背中から大量出血していた。
「っあああぁあぁあぁぁぁ!!! 」
「レイ君っ!? 」
急に叫んだことでレイナも驚き、椅子から立ち上がって困惑している。
「はあ…………はあ………………もしかして、今のが…………! 」
俺の…………母、親…………?嘘…………だろ?マジなのかよ?こんなことって…………。
「レイ…………君……? 」
じゃあ…………アイツが言っていた事は────
『レイもよく知っている日だ。今は覚えてないようだけど、正しくは思い出したくないのかな? 』
例えば、人は思い出したくない、忘れたい記憶とかあるだろ?けど、そういう記憶に限って忘れられないんだ。いつまでもどこまでもね。
ただし、例外はある。その人の根本的部分に触れる、その人を左右する程の記憶の場合、本能的に、理性的に記憶を追いやろうとするんだ。まるで、元から無い記憶としてね』
俺は知っていたんだ。けど、思い出したくねぇから、前みたいに靄がかかった映像になってんだ。それで、ずっと逃げてんだ。
『ずいぶんな責任転嫁だなぁ。けど、夢の中の僕が何か出来るわけ無い。全部レイ自身の責任だ。そう………………全部レイ自身が起こした問題だ。現にレイは、敵や仲間を沢山傷つけたじゃないか?仲間を助けるために仲間をね』
「………………罰、なのか?俺だけが生き残ったから、こうして逃げてばっかでいっから、こんな目にばっか合うのか? 」
「っ!それは違います!レイ君はこうして向き合ってるじゃないですか! 」
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