暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第2章
戦闘校舎のフェニックス
第13話 悪魔、やってます!
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「あのう、部長?」
「ッ!? ごめんなさい、少しボーっとしてたわ。二人ともご苦労様」

 またか。
 ここ最近、部長がいまみたいにボーっとしていることが多い。
 何か悩みでもあるのだろうか?
 そんなことを考えていると、部長がアーシアに言う。

「アーシア」
「はい」
「今夜はアーシアにデビューしてもらおうと思っているの」

 へぇ、もうか。ずいぶん早いな。

「デビュー?」

 きょとんとしているアーシアにイッセーが説明する。

「魔方陣から契約者のもとへジャンプして、契約してくるんだ──って、だいぶ早くないっスか!? アーシアはまだ悪魔になって数日しか経ってないのに」
「大丈夫ですわ。私が調べたかぎり、アーシアちゃんは眷属悪魔としては私に次ぐ魔力の持ち主ですもの」
「なっ!? マジで!?」

 副部長の言葉にイッセーは驚く。
 確かに、アーシアのあの回復能力の高さはなかなかのものだった。魔力の高さは頷けるものだ。
 アーシアは能力も含めて、『僧侶(ビショップ)』向きだったようだ。

「『僧侶(ビショップ)』としての器が存分に活かせるわね」
「すごいじゃないか、アーシアさん!」
「そ、そんな!」

 アーシアの能力の高さに、(みな)、アーシアを賞賛する。
 イッセーも誇らしげだったが、若干、複雑そうな顔をしていた。
 アーシアが優秀なのは素直に嬉しいが、先輩悪魔として複雑といった心境なんだろう。

「どうしたの、アーシア?」
「い、いえ。なんでもありません」

 だが、アーシアは自信がないのか、不安そうな顔をしていた。

「・・・・・・仰せつかったからには──」
「部長!」
「何?」

 アーシアの言葉を遮り、イッセーは部長に言う。

「今回は俺に行かせてください!」
「イ、イッセーさん?」
「ほら、アーシアはこの国に来て日が浅いだろ? もう少し生活に慣れてからのほうがいいんじゃないかな?」

 確かにそうかもな。
 アーシアは日本の生活に慣れてないうえに、教会出身で現代知識に欠けるところがある。もう少し、自信が出るようになってからのほうがいいかもしれない。
 過保護かもしれないが、自信がないうちに、もし失敗でもしたら、ますます自信を持てなくなってしまいそうだからな。

「そうね。あまり急過ぎるのもあれだし。わかったわ。イッセーに任せるわ」
「はい、部長!」

 部長に言われ、イッセーは気合いを入れ、部室から飛び出していった。
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