暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part2/臆病教師と喪失の青年
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
り替えられ、コルベールは少し驚きながらも、シュウに対して返答した。
「え、ああ…可能だが、メイジの腕次第だよ。魔法に興味があるのかい?」
「まぁ、そうですね。ただ、この機体を再び飛ばすには、あれらの箇所を修復する必要があります。内部は私の腕でもなんとかなるかもしれませんが、なくなった個所を補填するには、あの部分を埋めるものが必要だ」
そう言ってシュウは、ホーク3号の外装の破損個所を指差す。以前サイトがタルブ村でレコンキスタや奴らの使役する怪獣たちに立ち向かうためにフライトさせた際、ジャンバードのビーム攻撃による被弾箇所が痛々しく残っている。まずは被弾箇所の内部の部品を修繕しなければならない。船体表面は、そのあとで丈夫な鉄板をとりあえず張るのがいいだろう。魔法でならちょうどいい鉄同士を作れるだろうか?もしそうなら地下水を手放していない方がよかったかもしれない。
「それなら、私が可能な限り確保しよう」
「いいんですか?」
意外とすんなり要求を聞き入れてくれたことにシュウは目を丸くした。
「こう見えて私はトライアングルクラスだからね。もし私の魔法でだめなら、私の費用で素材の確保をするつもりだ。この竜の羽衣はサイト君のためのものであるが、魔法研究者としても、この機体は興味深い」
ホーク3号を見つめながら、コルベールは理由を明かした。さらに彼は話を続ける。
「たいていの貴族は魔法を武器と考えているが、私はそうは思えない。他にも可能性があると考えている。この竜の羽衣がそうであるように、私はそれを見つけたいのだ」
シュウは、コルベールを見て、不思議な感覚を覚えた。なんとなくだが、この男とは何か、発明において通じるような気がする。
「ところでクロサキ君。君は、私が君の装備品を取り上げた理由はわかるかな?」
「……?」
話を切り替えてきたコルベールに対し、シュウは一度首を傾げた。理由そのものはわかる。おそらく傷の回復ができていない自分を見て、無理を押しての行動を封じるためだろうと。けど今その話を持ちかけてきた理由についてはすぐに理解とはいかなかった。
「君はサイト君やハルナ君と同じ世界からきた者だ。君たちは見たところ、ミス・ヴァリエールたちとのほとんど年も変わらないはずだ。君にも未来という可能性がある。
これほど精巧な乗り物を、こうして修理作業ができるほどの腕を君は持っている。無理をするあまり、それを潰してほしくないのだよ」
「…」
いい人だ、と思った。他者をいたわれる人なのだろう。だが…
「…俺には、無理だ」
顔に影を作り、シュウは呟いた。
「……」
そのように言葉を切り捨ててきたシュウに、コルベールは残念そうな表情を浮かべた。まだ彼も若く、サイトがそうであるように、この世界において貴重な技術を持っている。若者とは可能性の塊なのだ。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ