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雲は遠くて
120章 クリスマス・パーティーでラモーンズをやる信也たち
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(あこが)れて、熱心にコピーしては、
バンド活動してたって、いろいろとお聞きできたんです。
それって、マンガにしたら、とても素晴らしいお話なので、
さっそく、クラッシュ・ビートの5話から、しんちゃんの高校生時代ということで、
物語を開始したんです。そしたら、読者のみなさんから、おもしろいって、大反響なんです!」

 そう言って、心菜は、信也や省吾や由紀や葵に微笑(ほほえ)む。

 ラモーンズは、アメリカで1974年結成された、いわゆるパンクのロックバンド。
ロンドン・パンク・ムーブメントに大きな影響を与えた。
しかし、アメリカより、イギリスで評価が高いバンドだ。
14枚のスタジオアルバムを残して1996年に解散した。
『ローリング・ストーンが選ぶ歴史上最も偉大な100組のグループ』においても第26位と健闘している。

「まぁ、ラモーンズ、『ブリッツクリーグ・バップ(Blitzkrieg Bop)』なんかは、なんと1976年の2月に、
デビュー・シングルとして発表した楽曲なんだけど、いまから40年前にもなるんだけど、
おれのなかでは、古びないよな。むしろ、そこいらの歌よりも、新しい感動があるんだよ。
2001年に41歳の若さで亡くなったジョーイ・ラモーンは、
この歌を『革命を()げるときの声であり、自分たちのことを自分たちでやるべきだと、
パンクスたちに告げた戦闘命令でもある』と説明しているけどね。
おれは思うんだけど、時代を超えて人に感動を与えるような芸術の創造には、
原始的な力とか、野性的な力とでもいうのかな、そんなパワーが作品に必要な気もしますよ。
ネットなんかで調べると、野性って、自然のままとか、本能のままの性質とか、
粗野で生命力にあふれている(さま)とか、ってありますよね。
まあ、ジャンルはいろいろでも芸術の本質には、それらが不可欠なんだと思います。
きっと、そういったものが、ラモーンズにはあるから、彼らの本能的で野生児的なサウンドには、
おれはいまでもストレートに感動するんですよ。
シンプルな3つだけのコード使いや、パワフルな超絶のスピード感は、
若さばかりで、未熟な、おれたち高校生にも絶大な魅力だったよね。(しょう)ちゃん!あっははは」

「まったくだよね、しんちゃん。凝った技巧とか、高い知性とか教養とかって、いたずらに、
頭でっかちになるだけで、芸術の本質からは、どんどん離れていくようだよ。あっははは」

 省吾はそう言って笑って、熱いコーヒーを飲む。

「わたしも、ラモーンズのことは今回初めて知りました。
このバンドのよさは、子どものころのような純粋さが、
ストレートに伝わって、(よみがえ)るような感動があるところなんでしょうかしら?」

 由紀はそう
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