巻ノ七十 破滅のはじまりその十一
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かし」
「大野殿もまた」
「その様なことをされる方ではない」
彼についてもだ、昌幸は言い切った。
「とてもな」
「左様ですな」
「そうじゃ」
「それがし実は大野殿ともです」
「お会いしたことがあるな」
「大坂において、大柄で恰幅のよい偉状夫で」
大野の外見からだ、幸村は話した。
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