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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十三話 改革の嵐を起こします。
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もたらすことをすでに見抜いていた。一つ目は、旗幟を明白にすることで、それも生半可なやり方ではなく、領地を丸ごと補給基地として提供するというすさまじい提案によって、インパクトが生じ、カストロプ公爵の縁者である自家の立場を公爵家と切り離すことに成功したことである。これによってリッテンハイム侯爵側が敗北しても、マリーンドルフ家は皇帝陛下に忠義を尽くした家として存続するであろう。そしてもう一つは補給基地という戦略的重要拠点をこの会議上で全軍に印象付けることによってそこに駐留する守備兵力を増強させて、周辺星域のリッテンハイム侯爵系貴族共の侵攻を阻止する防衛兵力を手に入れることができたことである。それも自分の家の戦力を撃ち減らさず、他人に守ってもらうというやり方によって。

この会議の比較的短い会話によっても、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフが並々ならぬ知略と胆力、そして分析力を兼ね備えているか、転生者たちにもはっきりと分かったのであった。「天才は 時と場所など 選ばない。」などと昔の一詩人が詠んだことがあったがまさにその通りである。


* * * * *
このことがあってから、ラインハルトとヒルダの間には交流が芽生え、時たまヒルダは元帥府に招かれてラインハルトと会談をする機会を持つことができるようになったのだった。だが、今回は色合いが違った。ラインハルトはある意図をもって彼女を呼び寄せたのである。
従卒たちによってコーヒーが二人が向かい合って座っているソファの間のテーブルに置かれた。
「よく来てくださった、フロイライン・マリーンドルフ。」
白を基調とした暖炉に心地よい炎がはぜながら熱を室内に送り続けている。むろんセントラルヒーティングもあるのだが、このような格調高い部屋では暖炉の方がむしろ雰囲気を作るのによいものなのだ。
「ローエングラム閣下、私などをお呼びになるとは、どういったご用件でございましょうか。」
ラインハルトはカップを受け皿に戻すと、
「単刀直入に言おう。フロイライン・マリーンドルフ。私はあなたの智謀と才能を高く評価している。そこで、フロイラインには私の秘書官としてそばにいてもらいたいのだが。」
ヒルダが内心どう思ったのか、それはわからない。ラインハルトの鋭い観察眼をもってしても、ヒルダの顔には一切の動揺も浮かんでこなかったのであるから。
「ローエングラム伯。私をそこまで評価してくださっていることは感謝の言葉もありません。ですが、私はたかだか一介の伯爵家の令嬢にすぎません。ローエングラム伯におかれましては、軍事・軍政・謀略に置いて既に有能な将星がそばにいらっしゃるではありませんか。」
「人材というものはいくらあっても不足というものではあるまい。聡明なフロイラインにはお分かりだと思うが。」
ラインハルトはすんなりした美し
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