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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十三話 改革の嵐を起こします。
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は軍事の事はよくわかりません。ですが、大艦隊の行動に際して一番の肝要な点は補給だと伺っております。メルカッツ提督に置かれましては、その補給拠点をどこかに構築なさりたいとお考えになっていらっしゃるのではありませんか?」
「いや、これはどうも参りましたな。いかにもその通りです。ですが適当な場所がない。」
そこまで言ったメルカッツ提督が、
「まさか、フロイライン・マリーンドルフ。先ほどおっしゃっていただいたことは――。」
「はい。マリーンドルフ家の惑星を補給基地としてお使いください。環境としてはまずまずだと思いますわ。広大な平原があることだけが我が領地の取り柄ですから。」
最後は冗談に紛らわしたが、言っていることはすさまじい事である。マリーンドルフ家の領地はカストロプ星系にほど近く、補給が受けられれば戦いを有利に進めることができる。そのような重要拠点を丸ごと差し上げようというのである。
「メルカッツ提督、発言を許可いただいてもよろしいか?」
ラインハルトがヒルダとメルカッツ提督を見ながら発言した。メルカッツはうなずき、ヒルダは初めてラインハルトの顔を見た。が、彼女の表情にはこれと言って変化はなかったのである。ラインハルトはアイスブルーの瞳をまっすぐにこの若き伯爵令嬢に向けた。
「フロイライン・マリーンドルフ。確かに補給基地があればわが軍の今後の作戦行動は有利に働くことになろう。だが、あなたの一存でそのような事をしてよいのか?御父君はこのことをご承知の上なのか?」
自分にじっと注がれている――冷たささえ感じさせる――瞳にもヒルダは動じなかった。
「それはもちろんですわ。」
「なるほど。もう一つ伺おう。あなたの惑星を補給基地とすることはすなわちカストロプ星系を始めとするリッテンハイム侯側の貴族に本格的な宣戦布告を高らかにしたも同然である。マリーンドルフ家の惑星そのものが攻撃を受ける可能性がいっそう高まることとなろう。あなたはそれについてどう思うか?」
「それは、憂慮すべきことだと思いますけれど、ですがミューゼル大将閣下、補給の重要性を理解していただいている閣下ならば、それを防衛すべき重要性も理解されていらっしゃるのではありませんか?」
ラインハルトは一瞬、フッ、と相好を崩したが、すぐにうなずいてメルカッツ提督に話しかけた。
「失礼いたしました。私からはなにも申し上げることはありません。閣下のご決断次第です。」
メルカッツ提督はヒルダにうなずきかけた。
「ご厚意に感謝いたします。フロイライン・マリーンドルフ。お言葉に甘えて、マリーンドルフ星系の惑星を補給基地とさせていただきたい。」
「はい。承りました。閣下のご決断に感謝と尊敬の意を表します。」
傍から見ていたイルーナたちは一連のヒルダの大胆不敵な発言を見守っていたが、二つのメリットを
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