暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
最終話 続いて行く、ヒーローの物語
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 ……その後、事件の後始末は警察によって済まされた。

 ボンネットに生裁剣を突き刺された車は故障を起こしてしまい、中にいた組織の連中はほうほうの体で逃走した――のだが、駆け付けた警察にあっさり包囲されてしまい、あえなく御用となった。

 俺が打ちのめした他の男達も同様であり、停めてあった車の中には、武器の他にも大量の麻薬が積載されていたという。

 これだけ多くの麻薬組織の関係者が捕まったのだから、大元の目星が付くのも「時間の問題」らしい。この事件で活躍した宋響学園は、少なからず注目されることだろう。

「やったな、栂」

 事件が解決して緊張の糸が解けたせいか、ガードレールに腰掛けたまま動けずにいる俺に、包帯を巻かれた会長が現れる。
 道路には多くの警察関係者達が集まっており、野次馬も大勢うごめいていた。

 会長は肩の荷が降りたような朗らかな笑顔で、俺の隣に腰を降ろす。

「会長……お怪我は?」

「ふん、生徒会長を甘く見るなよ。こんな怪我、三日もすれば――アイタタタッ!」

「もーっ、栂君並に無茶苦茶するよね。辻木君は!」

「ちょちょ、地坂! 触るな触るな!」

「なによぉ、『三日もすれば〜』なんて強がっちゃってさ。無理言ってないで、早いとこ病院行きなさ〜い!」

 続いて、副会長も顔を出してきた。
 どうやら動けない俺の代わりに、警察への対応を済ませてくれたらしい。
 後で聞いた話だと、会長の応急手当を施したのも彼女なのだそうだ。

「勇亮君! お待たせっ!」

 副会長にいじられ、アタフタしている会長をしばらく眺めていると――報道陣への対応を終えた絵麗乃が戻ってきた。
 いつものような、明るく優しい彼女の姿に思わず頬が緩んでしまう。

「お疲れ様。カメラやらマイクやらに囲まれて大変だったろう?」

「ぜんっぜん! 勇亮君に比べたら、全然たいしたことないよっ」

「ありがとう。いろいろ助けてくれてさ」

「えへ、えへへ……勇亮にお礼言われちゃったよぉ……これってフラグぅ?」

 助けてくれたことは素直にありがたい。ありがたいのだが――「フラグ」ってなんだ?

 その意味を考えあぐねていると――野次馬と警察だらけの視界に一人の男の子が映り込んだ。

「ん……?」

 生裁重装のセイントカイダーを象った人形を持っている、三、四歳くらいの小さな子供。なぜだかわからないのだが、その子の存在は妙に俺の気を引いていた。

 見覚えのある……そう、大路郎先輩の面影を感じるその子は、ニコッと俺に笑いかけると、母親らしき若い女性と一緒に、人混みの中へと消えて行った。

 何となくではあるが――赤の他人のようには思えなかった。不思議な子だな……。

 それと、
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ