暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
第5話 立ち上がる三代目ヒーロー
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
を持ち、紺色のスーツを着たガタイのいい男達。数は三十人程度か……。
そして、彼らに囲まれた三人の男女。
――うちの制服を着ている以上、もはや頭を使う必要もない!
俺はそのまま男の集団に向かってアクセルを踏み込み、こちらに気づいた連中を掻き回す!
「うおっ!? なんだこのガキ!」
「てめぇヒーローかっ!」
突然の来客にあわてふためく彼ら。俺はその混乱に乗じて、セイサイラーを生徒三人を庇うように停める。
「栂……! 間に合ったか!」
「あぁ、よかったぁ……栂君、来てくれてぇ……!」
「ゆ、勇亮君ッ! あぁ、勇亮君……!」
血に塗れた右腕を押さえる会長を、絵麗乃と副会長が支えている。
どうやら、結局見つかってしまい、ここまで追い詰められていたらしい。
普段は明るく元気な二人の美少女も、この時ばかりは不安を感じずにはいられなかったらしく、俺の到着に感極まった表情で涙した。
すぐに一言声を掛けたいのは山々だが、今は敵側のパニックを利用したい。
俺はサッとセイサイラーから飛び降りると、裏拳・回し蹴り・巴投げを続けざまに連中へお見舞いしていく。
「なっ――がふっ!?」
「このガキッ……ぎゃあ!」
ナイフや釘バットを振りかぶる男達の攻撃をかわし、腹や顔面にパンチとキックを叩き込む。
去年にセイントカイダーの後継者として検討されていた頃から、こういう訓練は欠かさなかった。おかげで、実戦経験が少ない俺でも十分に戦える。
――こんなことを考えている場合じゃないだろうが……ヒーローを目指してこの学園に入った俺にとっては、きっと今ほど充実した瞬間はないのだろう。
子供の頃に憧れたヒーローになりたくて、俺はこの学園に来た。そして、セイントカイダーの存在を知り――強く惹かれたんだ。
そんな俺の夢を受け入れてくれた、会長を初めとする生徒会のみんなには、感謝しても仕切れまい。
……だからこそ、彼らを傷つけた麻薬密売組織が、許せなかった。
そして、彼らに立ち向かい、打ち勝つ力を――俺は今、持っている。
もう、ヒーローになることだけが夢じゃないんだ。これからは……ヒーローとして、みんなを守る。かつて、自分自身が憧れた姿に近づくために!
――そして、「たった一人ではヒーローになれない」のなら……!
「絵麗乃ッ!」
「は、はいっ! なんでしょうか勇亮君!?」
「戦いは俺に任せてもらう! ――だからッ!」
「はいぃっ!」
「それからのこと――任せたよ」
「――え?」
最後に出した声だけ、気がつけば落ち着いたものになっていた。
新たな道が開けた――かもしれない、という可能性が現れたことから
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ