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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
第3話 巡り巡って
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、就職を希望する女性が絶えないという「ラーベ航空会社」の本社ビル。
とある優秀な技術を持った二人の囚人が、礎を築いたとされる囚人ブランド「KARITANI&TOKOROZAWA」の本店。
いずれも、この辺りに住む人間で知らない者はいないだろう。
――思えば、これだけの有名どころが全て、今年になってから台頭してきたものだというのは、すごい偶然なのだろうな。
城巌大学を出発してから、およそ十五分。
俺は「651プロダクション」という看板を掲げた、小さな事務所を発見することができた。周りには、話題の新人アイドルが写ったポスターが貼られている。
だいたいの場所は知っているつもりでいたが、いざ捜すとなると建物が地味だから見つけにくい……。
所属アイドルが売れてるなら、施設を拡大したっていいだろうに。
俺はセイサイラーを「目立たないように」と事務所の裏へ隠し、事務所の前に立つ。
――そこで、気がついてしまった。
「……なんて聞けばいいんだろう」
そうだった。
考えてみれば、俺は「初代セイントカイダー」の本名を知らない。アポなしで事務所にお邪魔して、「初代セイントカイダーの方はいらっしゃいませんか」などと口走れば、痛い視線を向けられる事態は目に見えている!
せめて、その人の身体的特徴だけでも聞いておくんだった……。
そんな時、ここに来てのアクシデントに頭を抱える俺の脇を、綺麗におめかしした女性が通り過ぎた。
「こんにちはー……って、あれ? お客さんですか?」
女性は元気よく入口の扉を開けて、事務所に入っていく――のを踏み止まり、入口の前で立ち往生している俺をキョトンとした顔で見ている。651プロの関係者だろうか?
「え、えーっとですね。俺は、その……」
「ああそっか、自己紹介がまだでしたね! 私は『
平越路子
(
ひらこしみちこ
)
』! 651プロ所属の新人アイドルでーっす!」
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