暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
第2話 謎の初代セイントカイダー
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去年に何があってこんなことになっているのかは知らないが、セイントカイダーの整備体制が維持され続けているのは、現役の身としては助かる。

「どこに行こうというのかね? 栂勇亮」

「城巌大学に。先代セイントカイダーの桜田舞帆先輩に会えと言われましたので」

「ま、舞帆に……か。……そ、そうかそうか、行ってくるといい」

 寛毅さんはなぜかバツの悪そうな顔をしながらも、セイサイラー発進用のハッチを開けてくれた。

 俺は彼に一礼するとアクセルを一気に踏み込み、地上へと向かう坂を鋼鉄の二輪で駆け上がった。

 このセイサイラーは、俺が常に装着しているセイントカイダーの変身ブレスレットに次ぐ、ヒーロー活動における必須ツールだ。

 単にバイクとしての性能がいいだけではなく、セイントカイダーの重装備形態「生裁重装」に変身する機能も持ち合わせている。

 ブレスレットで変身する「生裁軽装」と合わせて使えれば、かなりの戦力になるだろう。

 ……とはいっても、生裁重装は俺には到底使いこなせない代物だ。
 以前、試しに変身してみたことがあったのだが、身体が鉛のように重くてほとんど動けなかった。

 それは舞帆先輩も同じだったらしく、これを扱うには相当な筋力と体力が必要になるらしい。

 ちなみに、去年まではセイントカイダーの変身システムは舞帆先輩の身体だけに合わせて造られていたが、今年からは誰でも問題なく着用できるように、変身機構にマイナーチェンジが施されている。

 その前の段階で、舞帆先輩以外の人間が変身しようとすると、身体のサイズが合わないために全身が締め付けられて激痛を伴うことになるらしい。
 なんとも恐ろしい話だ。身体が異常に重くなる生裁重装だと、なおさらだろう。

(……だが、初めて登場したセイントカイダーは生裁重装だったらしい。舞帆先輩だって、あれは使いこなせなかったはずなのに……一体、どういうことなんだ……?)
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