暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 平中花子の恋路
後編 これからの恋心
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て、運動量を共有した。もし私一人だったら、到底続けられなかっただろうね。彼が傍にいたから、私は続けられた。

「え!? 『武羽子』って本名じゃなかったのか!」

「当たり前でしょ! 私のことなんだと思ってたのよ!」

「そっかー……ごめんな。じゃあ、アンタの本当の名前はなんて言うんだ?」

「う――それはダメ! 言えないっ!」

「なんでさ?」

「あんまり可愛い名前じゃないからっ!」

「いいじゃないか、アンタ自身は可愛いんだから」

「えっ!? な、な、な……!」

「どうした? 顔が赤いけど」

「なんてこというのよ、バカァァーッ!」

「うええっ!? す、すいませんでしたーッ!」

 こうやって二人で一緒に歩いて、騒いで、話して、笑って。それは友達の少ない私にとっては格別の幸せに繋がり、彼の笑顔からも元気を貰った。

 私一人では、叶えられなかった夢。そこに届く可能性を、彼は与えてくれた。

 彼あっての叶う夢なら、叶ったあともずっと彼の隣にいたい。そんな、身勝手ながらも幸福絶頂な願いを抱くようになる頃には、私達は三年生に進級していた。

 そして、私は夢に向かっての「大変身」を完了させていたのだ。

 彼と二人三脚で一年間近く続けた「ダイエット&モデルデビュー大作戦」が功を奏して、私は劇的にスリムになり、ハッキリと自信が持てるようになるほどの美貌を手に入れることができた。

 自信を持つようになってからは友達も自然にできるようになり、自分自身が明るくなっていくのを実感した。

 顔を含めた全身の贅肉を取り払った私の姿は、もはや完全に別人のようだった。全ては、ひたすら自分の夢のために奔走してくれた彼のおかげだ。

 さらに、「大作戦」を始める以前から読み込んでいたファッション雑誌の知識のおかげで、納得のいくスタイルになってからの「オシャレ度」が急上昇したのよ。

 かつて私を「ブー子」と呼んでからかっていた男子グループは、今までの態度を一変させて私に話し掛けるようになった。

「いやぁ、マジ可愛いな花子ちゃん! 今度一緒にカラオケ行かね? ぜってー楽しいからよ!」

「ちょーどいいことにさ、映画館のチケットが余ってるんだよー! せっかくだから一緒にどう?」

「最近話題のデートスポットがあるって知ってる!? 良かったらちょっと二人で下見にでも行ってみない?」

 もちろん、そんな彼らのお誘いに応じるつもりなんてない。私を誘っていいのは、彼だけなんだから。

 ――だけど、三年生になってクラスが大きく離れてしまってから、彼には会うに会えなくなっていた。

 というのも、彼に「もう充分人気者だし、俺がいなくても大丈夫だろ? 雑誌に載ったら教えてくれよな
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