暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
最終話 譲れない想い
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ばされてしまった。
なんとか立ち上がってセイトバスターを構え直そうとするものの、その頃には再び彼女は姿を消してしまっていた。またしても見失うなんて、不覚だわ。
「またプールの中ね! 今度はそう簡単にやられないわよ!」
もう同じ手を食らうわけには行かない。私はセイトバスターを手にして、思い切ってプールの中へと飛び込んで行った。
「ま、待ちなさい舞帆! ドルフィレアを相手に水中戦を挑むつもり!?」
そんなお母さんの忠告を聞き流し、私は水を蹴って深い水中を突き進んだ。
もちろん、水中戦で私が不利になるのは百も承知よ。だからこそ、向こうは「絶対に負けることはない」と高を括る!
正攻法じゃ彼女にはきっと敵わない。だったら、危険な賭けだとしても可能性の高いやり方で戦うしかない!
私はいざという時に備えてセイトバスターを腰に収め、ドルフィレアの出方を待つ。絶対、彼女はこのプールの中に――
「ここですわっ!」
「えっ――!」
――迂闊だった。まさか、私の真下に潜んでいたなんて。
プールの底に潜むドルフィレアの存在に気がついた時には、私はすでに身動きが取れなくなっていた。
彼女の左腕に搭載されている触手のような武器が、私の全身を搦め捕っている。こうやって、相手の動きを封じるのが用途なんだろう。
「もはやあなたもこれまでですわ。降参なさい!」
ニュルリとうごめくドルフィレアの武器が、軟体生物のように私の身体をはい回っている。正直なところ、気味が悪いことこの上ないわ……。
でも、こんな精神攻撃(?)なんかで私を崩せると思ったら、大間違いよ!
「今さらそんな真似をするような女に見える?」
「……そうですね。ならば、この一撃であなたの変身を強制解除するとしましょう」
そういって、彼女は左腕をもぞもぞと動かすくらいしか抵抗しない私の眉間に、水圧カッターの発射口を押し当てる。
このままとどめを頭に食らえば、確実にセイントカイダーの変身システムが変身者の危険を察知して、私の変身が強制解除されることになる。
つまり、私の負けになるということ。
「見事に精神を持ち直して私と立ち向かった姿には感銘を受けましたが、わたくしにも譲れぬものがあるのも、また事実。この勝負、いただきましたわ!」
勝利が確定したと、強気な顔になるドルフィレア。そう、確かに決定的よね。
――それを、私は待ってた!
確実に私を仕留めるためにギリギリまで近づいてきた彼女を前に、私は忍ばせていたセイトバスターを左手で引き抜く! 片腕だけでも自由になれるように動かしていた甲斐があったわ!
「油断したわね! これでっ!」
「甘いっ!」
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