暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
最終話 譲れない想い
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だったわ!

 彼はホントにバカで……そんな彼をしっかり叱って支えられるのは、私しかいないじゃない! 私しか、できないじゃない!

 弱くたっていい。私は、船越君の力になりたい! 彼もそう願ってくれるなら、私はまだまだ――戦えるっ!

「そうだったわね。すっかり忘れてたわ。私は、船越君のヒーロー……『生裁戦士セイントカイダー』だってこと!」

 戦意を、回復できた。
 そう実感した瞬間、私はプールから勢いよく飛び出し、こちらを伺っていたドルフィレアの前に着地する。

「生徒の手により裁くべきは、世に蔓延る無限の悪意! 生裁戦士セイントカイダーッ!」

 そして、あの人の動きを思い出しつつ堂々と名乗りを上げ、戦線復帰を誇示して見せた。

「大路郎様と何を話されていたのかは気になるところですが……ようやくやる気になってくださったようですね、桜田様」

「ええ、目が覚めたわ。もう、引け目なんて感じない! もう、遠慮なんてしてあげないんだから!」

「光栄ですわ。では、試合再開と致しましょう――『舞帆』様ッ!」

 私を名前で呼んだ……つまり、船越君を慕う女同士としてのライバルと再認識したんでしょうね。
 こちらこそ光栄だわ――だからこそ、負けられない!

「えー……では、セイントカイダー復帰により試合を再開させていただきます! 始めっ!」

 審判さんが試合再開を宣言すると同時に、水圧ジェットによるホバー走行で突進を仕掛けるドルフィレア。
 私は逃げることなく正面からセイトサーベルを振り上げ、真っ向から迎撃――

「と、見せ掛けてっ!」

 真上に振り上げたセイトサーベルを、そのまま手放す。

 もちろん、そうなったからには剣は垂直に上昇していく。

 相手の得物に注目していたドルフィレアは、思わず宙を舞うセイトサーベルに目を奪われてしまったみたい。

 そこが狙い目! 私はホバー走行でバランスが取りやすいようにと、開かれている彼女の股をスライディングの要領でくぐり抜け、背後に回り込む。

「いくら装甲が頑丈と言っても、この至近距離で背後からならッ!」

「なっ――!」

 ここまで来たら、やることは決まっている。再び腰から引き抜いたセイトバスターの銃口を、ドルフィレアの背中に押し当てて引き金を引きまくる!

 投げられていたセイトサーベルがプールに落下する瞬間、激しい火花が蒼い甲冑を包み込む。

 矢継ぎ早に放たれる光線を受け、ドルフィレアの背面が黒ずんでいくのがわかった。

「きゃあああああっ! くぅ、これしきっ!」

「あうっ!」

 しかし、やはりやられてばかりの彼女ではない。
 最新型ならではのパワーを活かした肘打ちを受けて、プールサイドまで吹っ飛
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ