暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
最終話 譲れない想い
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だったわ!
彼はホントにバカで……そんな彼をしっかり叱って支えられるのは、私しかいないじゃない! 私しか、できないじゃない!
弱くたっていい。私は、船越君の力になりたい! 彼もそう願ってくれるなら、私はまだまだ――戦えるっ!
「そうだったわね。すっかり忘れてたわ。私は、船越君のヒーロー……『生裁戦士セイントカイダー』だってこと!」
戦意を、回復できた。
そう実感した瞬間、私はプールから勢いよく飛び出し、こちらを伺っていたドルフィレアの前に着地する。
「生徒の手により裁くべきは、世に蔓延る無限の悪意! 生裁戦士セイントカイダーッ!」
そして、あの人の動きを思い出しつつ堂々と名乗りを上げ、戦線復帰を誇示して見せた。
「大路郎様と何を話されていたのかは気になるところですが……ようやくやる気になってくださったようですね、桜田様」
「ええ、目が覚めたわ。もう、引け目なんて感じない! もう、遠慮なんてしてあげないんだから!」
「光栄ですわ。では、試合再開と致しましょう――『舞帆』様ッ!」
私を名前で呼んだ……つまり、船越君を慕う女同士としてのライバルと再認識したんでしょうね。
こちらこそ光栄だわ――だからこそ、負けられない!
「えー……では、セイントカイダー復帰により試合を再開させていただきます! 始めっ!」
審判さんが試合再開を宣言すると同時に、水圧ジェットによるホバー走行で突進を仕掛けるドルフィレア。
私は逃げることなく正面からセイトサーベルを振り上げ、真っ向から迎撃――
「と、見せ掛けてっ!」
真上に振り上げたセイトサーベルを、そのまま手放す。
もちろん、そうなったからには剣は垂直に上昇していく。
相手の得物に注目していたドルフィレアは、思わず宙を舞うセイトサーベルに目を奪われてしまったみたい。
そこが狙い目! 私はホバー走行でバランスが取りやすいようにと、開かれている彼女の股をスライディングの要領でくぐり抜け、背後に回り込む。
「いくら装甲が頑丈と言っても、この至近距離で背後からならッ!」
「なっ――!」
ここまで来たら、やることは決まっている。再び腰から引き抜いたセイトバスターの銃口を、ドルフィレアの背中に押し当てて引き金を引きまくる!
投げられていたセイトサーベルがプールに落下する瞬間、激しい火花が蒼い甲冑を包み込む。
矢継ぎ早に放たれる光線を受け、ドルフィレアの背面が黒ずんでいくのがわかった。
「きゃあああああっ! くぅ、これしきっ!」
「あうっ!」
しかし、やはりやられてばかりの彼女ではない。
最新型ならではのパワーを活かした肘打ちを受けて、プールサイドまで吹っ飛
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