暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 栄響学園生徒会執行部
後編 埋まらない溝
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、ふん。なら、せいぜい『誠意』を見せるんだな」

「ああ。お前も見ていてくれ。そして、手伝ってほしい。俺がもう、道を間違えてしまわないように」

「――いいだろう」

 ゆっくりとへし折られた竹刀をデスクの上に置き、副会長は真っ直ぐな瞳で俺を見据える。

 どうやら、こいつに認めてもらうための「スタートライン」には立てたみたいだな。

「さて、そろそろ俺を呼んだ用件を教えてもらいたいんだが」

「ああ。実は――ん?」

 やっとこ再開した俺の質問に副会長が答えようとした瞬間、なにかを見つけた彼の表情がピタリと止まってしまった。

 いや、「凍り付いた」という方が表現としては正しいだろう。

「んっ、んっんっんー! んっんっん、んっん、んっんーッ!」

 カチンコチンに顔が固まってる副会長の視線の先には、口を塞がれたまま呻いている結衣の姿があった。

 どういうわけか、口を塞がれているだけのはずなのに、よだれが垂れ流しになっている。

 しかも、なんだか温泉にでも浸かっているかのような、気持ちよさげな表情を浮かべていた。

「あ、あれは誰が付けたんだ〜い?」

「俺だ。あんまりセクハラ発言が絶えなかったんで、口を封じさせて貰っていたんだ」

 会計さんの質問に俺が答えると、彼はどういうわけか、ものすごくギョッとした顔になってしまった。
 あれ? なんか俺、変なこと言ったか?

「ふ、船越君〜? あれが何なのか知ってて彼女に付けたの?」

「口を塞ぐのに使った、あのボールみたいなやつのことか? そういえば、見たことない道具だったな。舞帆、知ってるか?」

「ううん、私も。田町君は知ってるの?」

 舞帆は、俺と同じように首を傾げながら会計さんに問い詰める。
 そんな反応を示す俺達二人を前に、彼はため息混じりにこう答えた。

「あのねぇ〜、アレは男と女がイケない遊びをするのに使うものなんだよ!」

「な……」

 その簡潔過ぎる説明を聞き、今度は俺達二人の表情が凍り付く。そして、驚きを隠さず絶叫を上げた。

「今、あの娘は……ええと、こう言ってるみたいだね。『放置プレイ、いいっ、すごくイイ! 船越先輩、もっとあたしをいじめてぇぇ〜ん!』だってさ〜」

「なんで言ってることがわかるの!?」

「つーか『放置プレイ』ってなんだよ。そして何であいつの机にそんなモンが……」

 口々に質問兼ツッコミをぶつける俺達。その応対に会計さんが困り果てていることに俺が気づいた瞬間――

「き、貴様、船越大路郎! 『誠意』を見せるなどとほざいておきながら、舞帆先輩だけでは飽き足らず、地坂にまで手を出すとは!」

「いや、違うんだ副会長。これはだな――」

「問答無用
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ