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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第24話 騒がしい平和
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郎君のことはパパって呼ぶのよ!」
「パパ! パァパッ!」
「なにを事実改変して子供に吹き込んでるんですかぁ! 船越君は私のためにヒーローになったんです! 故に私のヒーローなんですってばぁ!」
「いつも船越さんを怒鳴ってどついてばかりの人がなにを言うんですかっ! 私だったら、まずたくさんデートして、それから両親に紹介して、それからそれからっ……」
熱く語り合う彼女達。なにを話してるのか、正直に言えば無茶苦茶気になるのだが、輪に入り込める空気じゃない。
「やれやれ、おっかないオーラがところせましと病室を支配してやがるな」
「そう? あなたからすれば本来は天国のような状況のはずなんだけど」
「どう解釈すりゃ、あの三つ巴のバトルロワイヤルがそう見えるんだよ……まったく、狩谷が可愛く見えるくらい――」
達城の物言いに呆れて病室の窓から、快晴の空へ目を向けた瞬間。
俺の表情は冷水をぶっかけられたマグマのように、カチンコチンに凍り付く。
「ふ、な、こ、しぃぃぃーーーっ!」
「か、狩谷ィッ!?」
病室の窓を蹴破ってサイドテールを可愛く揺らし、まさかのご本人乱入!
噂をすればなんとやらとは、まさにこれか。
「聞いたわ、聞いたわ、聞いたわ! 大事なことだから三回言ったわ! アンタ、アタシのこと、可愛いって言ったわよね!? そうよね!?」
狩谷は感極まった表情で、鼻が触れ合いそうになるほどの距離まで迫って来る。
というか、近い、近いって。なにやら柔らかい膨らみが当たっておるし。
「おいおい、ちょっと待て。何でお前がここにいるんだよ、懲役十一年とやらはどうした?」
「へっへー、俗に言う仮釈放ってやつよ! そうなったらアタシがどこに行くかなんて、考えるまでもないでしょーが!」
なら普通にドアから入れ……器物損壊で罪を増やすな。
「か、狩谷鋭美ッ!? どうしてここに……っていうか何で船越君にそんなにベタベタくっついてるのよ! 離れなさい!」
「べーだ、アタシと船越は十一年後にはヒーローコンビになって、末永く幸せになるのよ! だからたまに仮釈放でこうして会いに来て……こうしてやるんだからっ!」
さらに狩谷は俺の頭をその豊満な胸に抱き寄せ、離すまいと両腕で締め付ける。
う、嬉しいようで苦しい……し、死ぬ……!
「な、な、な、なんですってー!? ど、どういうことよそれっ!?」
「え、鋭美ッ! じ、路郎君から離れてよぉぉっ!」
狩谷の妙な宣言と衝撃的行為に絶叫を上げる舞帆を押し退け、今度はひかりが(涙目で)食ってかかる。同じ孤児院出身の者同士による謎の対決だ。
この二人は、既にお互いの背景と現状を、裁判や面会を通して把
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