暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第23話 無謀な一撃必殺
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のが、俺のそれとどこか似ていたから、共感して、支えたくなったんだ。
 そして、救いたくなった。

「……それとアタシにライセンス預けるのと、何の関係があるのよ?」

「お前、ヒーローになったら自分が育った孤児院の専属になるんだろ? 俺もそんなところでヒーローやりたいって思ってたからさ。二人で一緒に、孤児院専属のヒーローコンビってやつになってみないか?」

 俺の提案に、狩谷はさらに驚嘆の声を上げる。
 どういうわけか、その顔はほんのりと赤みを帯びている。

「ヒ、ヒ、ヒーローコンビ!? アンタとアタシで!?」

「おう。俺達、挫折からはい上がったヒーローコンビで、孤児院の子供達に勇気を与える。……かっこよくないか?」

 そう言い切る俺に呼応するように、狩谷は蕩けたような表情になって、俺が渡したライセンスを豊満な胸でキュッと抱きしめる。くそ、ちょっとライセンス、俺と代われ。

 しばらくは夢心地で俺の話を聞いていた狩谷だったが、ハッとするといきなり俺の胸倉につかみ掛かってきた。

「約束だからね! 嘘ついたらハリセンボン!」

 ……言うことまで昔の俺にそっくりじゃないか。

 俺は苦笑混じりに「おう!」と力強く返事し、彼女も流されるように笑顔になった。

 ひかりを育てた、加室孤児院。
 狩谷もそこで育ち、そこのヒーローになろうとしていた。

 俺も、その場所を守ってみたい。俺に初恋を教えてくれた彼女が暮らしてきた、その世界を。

「罪を償って、恩を返して……いつか、二人でヒーローになろうな。狩谷」

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