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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第23話 無謀な一撃必殺
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結果として、舞帆達を守れたからだろうか?
ふと、瓦礫を除けて倒れていた身を起こしてみれば、変身は既に解け、俺は元の船越大路郎の姿に戻っていた。
セイントカイダーの変身システムが、変身者の生命危機を感知したためだろう。今さらな気もするが。
△
「狩谷っ……うッ!」
同じく変身が解除されていた狩谷。彼女の安否を確かめようと身を起こした俺を、積み重ねられた激痛が襲う。
俺はとうとうそれに打ち負かされ、瓦礫の山からゴロゴロと転げ落ちると、今度こそ全く身動きが取れなくなってしまった。
「うっ……うう」
「狩谷、生きてるか。よかった……」
「あんな殺す気満々な攻撃仕掛けといて、よく言うよ。まったく――いてて!」
どうやら、反応を見る限りでは命に別状はないらしい。
俺はつっけんどんでありながら、敵意を感じさせない彼女の態度に苦笑しつつも、ホッと胸を撫で下ろす。
よく見れば、狩谷の体には外傷はほとんどないようだった。
俺が与えたダメージの多くは、ラーカッサの戦闘服が吸収していたらしい。
ただ、衝撃の余韻か疲労のためか、彼女も俺と同じでろくに動けないみたいだ。
「負けたよ。アタシはやっぱり、ヒーローの器じゃなかったんだ」
「そうだな、今はそうだ。だったら今からはい上がりゃあいい。まだヒーローを諦めたくないならな」
もし本当に「ヒーローになる」という未来に愛想を尽かしてるなら、わざわざヒーロー能力を手に入れようとはしまい。
能力を悪事に使おうというアンチテーゼだとすれば、それだけヒーローに未練があるとも言えるはずだ。
「はい上がる……か。厳しいこと言うわね、アンタ」
「厳しくもなるさ。未練を夢に、変えるとするなら」
未練を、夢に変えられれば――彼女がもう一度チャンスを得られたなら、彼女が悪である必要もなくなるんじゃないか。
そんな考えが脳裏を過ぎった時だった。
「間違えるな、船越大路郎。悪は悪、正義にはなれん!」
厳格な口調で、憎悪で凝り固まった言葉を吐き出す者がいた。
――桜田寛毅だ!
「校長先生、どういうつもりだよ」
「ご苦労だったな。まさかセイントカイダーにあんな機能が搭載されていたとは思いもよらなかった。やはり朝香は舞帆より貴様を選んだのだな。愚かなことを……舞帆に任せておけば、我が桜田家の優秀さが実証され、我が家を去る必要もなかったろうに」
「あんたが娘を無理矢理戦いに引っ張り出そうとしなけりゃあ、円満な家庭を築けたろうにな。……そして、まともに試験をやろうとしてれば、こんな戦いも起きなかったはずだ!」
「一人前なのが力だけなのでは、単なる暴力と違わぬことを覚えておけ。い
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