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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第23話 無謀な一撃必殺
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――待ってろよッ!」
裏返っていたバックルの校章を元に戻すと、セイサイラーがひとりでに変形を開始し、生裁重装の鎧となって俺を包む。
鎧は既にボロボロだが、それでも俺の支えになってくれている。
生裁重装を含めたセイントカイダーの変身システムには、変身者の生命危機を感知すると、降伏の意味を持って変身を強制解除する機能がある。
変身者の人命の保護を最優先するためだ。
だが、それには欠陥が一つある。それは、変身者が代わると、強制解除をするか否かの判定基準となるダメージ計算が、「リセットされてしまう」ということだ。
それは、変身者を舞帆に限定されていたセイントカイダーに俺が無理矢理に変身していたことによる、単なるバグに過ぎない。
しかし、ダメージ計算がリセットされるということは、舞帆が負った分の損傷が計算から外されること意味する。
つまり、実際の鎧自体のダメージはそのままに、計算上の「それ」だけがリセットされている俺からすれば、この人命優先のシステムは今、全く当てにならなくなっているのだ。
例え、俺が今からこのヒビだらけの生裁重装の鎧を木っ端微塵にされた上で、生裁軽装になったところを刃物で細切れにされることがあっても、システムが俺のダメージが舞帆のそれを越えたものと認識しなければ、変身は解除されない。
達城によればバッファルダとの二戦目でも、あの背中への一刺しでシステム全体がショートしていなければ、とっくに強制解除されていたはずだったらしい。
「計算」が振り出しになっている俺には、舞帆のような「恩恵」は受けられない、というわけだ。
そう、例え「死んでも」。
俺は三人を庇うように彼らの傍に立つと、持てる力の全てを両足に込めて、大地を蹴る。
「船越君!? ――船越君ッ!」
驚いたように舞帆が声を上げる。なにをするつもりかを察して、止めようする声色だ。
だが、飛び立ってしまった今ではもはや無意味。
「らああああああッ!」
目の前に迫る瓦礫は近付くにつれてみるみる大きくなっていき、気が付けば想像を遥かに越える巨大な隕石のようにも見えてきた。
いつもなら、こんな馬鹿でかい破片とぶつかったら死ぬに決まってる、と思って回避するところだ。
だが、今回だけは逃げるわけにはいかないし、逃げる気もない。
今なら、できる。そう思うしか道はないからだ。
そして、強固な鎧に身を固めた、セイントカイダーという名の迎撃ミサイルが、校舎の瓦礫という名の隕石を打ち砕く。
体のどの部分から瓦礫にぶつかったのかは、俺自身にもよくわからなかった。
そのくらい一瞬の出来事だったからだ。
ただわかっていることは、粉々に飛び散る破片と
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