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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第20話 セイントカイダーの進化
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られなかったであろう、本邦初の行動なんだから当たり前か。

 校章の左側を掴み、右側に向かって回転させる。つまり、裏返した。

 その瞬間、俺の全身を覆っていた重厚な鎧が、突如俺を拒絶するかのように離れ、バラバラに分解された。
 やがてその部品は一カ所に集まり、元のバイク形態――セイサイラーに戻った。

 しかし、変身が解けたわけではない。
 普通、元に戻るには、過剰なダメージを受けてセイントカイダーの鎧が変身者の生命危機を感知して強制的に変身を解除するか、変身者自身が内側から脳波で操作して鎧を外すしかない。

 俺が見せたのは、そのいずれにも該当しない行為。

 そして、俺自身も見たことがない姿の「俺」が、そこに立っていた。

「……それ、いわゆる『とっておき』ってやつ?」

「そうだな。……いや、そこは『俺次第』ってとこだ」

 破損した水道から漏れてきた水で出来ていた水溜まりが、俺の姿を映し出す。

 かつての重装甲な鎧姿から一転、ラーベマンを思わせるボディスーツ姿になっていた。

 グラサンのようなバイザーと、スーツと同色のマスクが俺の素顔を隠す。

 マントがないことと色が違う点を除けば、ラーベマンとよく似ている。同じ桜田家が作ったヒーローだからか?

 真っ白で薄地の戦闘服に、両腰には光線銃「セイトバスター」、そして生裁剣とは違って俺の脚くらいのリーチである細身の剣「セイトサーベル」。

 全て、設計図代わりに達城が用意してくれていたメモの通りだった。

 今までのセイントカイダーの姿は、「戦闘形態(バトルスタイル)の一つ」にしか過ぎなかった。

「まぁ、少なくとも……お前に勝てる『切り札』には違いないがな」

 それは本来「生裁重装(ヘビーメイルズ)」と呼ばれる重装備形態であり、今の俺を包んでいるこの戦闘服こそが、達城の切り札にして生裁重装に続く第二形態――「生裁軽装(ライトメイルズ)」というわけだ。

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