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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第17話 立ち上がるヒーロー
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のよ」
「いきさつをこちらの親御さんから聞いた時は驚いたよ。まさか君がセイントカイダーだったとはね。でも、それほど不自然な気はしなかったかな。いつもあの娘と一緒にいたんだからね。何より、君が彼女の指導で頑張ってるってコトは聞き及んでたわけだし」
俺は笠野と目を合わせると、臆面もなく胸中を打ち明ける。
「俺は生徒会長がこの件に出張って来たことに、ただただ驚くばかりだよ」
「仮にも生徒のトップに立つ生徒会長が、こんな話を聞いて黙っていていいわけないだろう? 君にばかりいい格好させられないしね」
「いい格好になんてなっちゃいないが……とにかく、助けてくれてありがとう。あんたにも恩は返さなきゃな。さて……」
そこで話題を切り、俺は達城の方へ向き直る。
我ながら、すっかり元通りの調子だ。
「今から駆け付けて、間に合うか?」
そう、舞帆を助けに行くとは行っても、現場に駆け付けられなくては意味がない。
セイサイラーがない今、誰かに連れていって貰うしかないわけだ。
しかし、母さんは車の免許を持ってない。多分、ひかりや笠野も。
「なんとも言えないわね……私も今は車はないし、すっかり夜中だから電車が使えるかはわからないわね。タクシーを呼ぶ時間はないと思った方がいい。笠野家に頼んでヘリや飛行機をチャーターしても、近付く前にラーカッサに撃ち落とされかねないわ」
「私に任せてください!」
行き詰まりを感じた瞬間、我こそはと手を挙げる者がいた。
俺を含む周囲の視線が、平中に集中する。
「平中?」
「私、『ヒーローズピザ』でバイトしてるから、配達が出来るよう免許を取ってるんです! 自宅がすぐそこですから、すぐにバイク取ってきます!」
……渡りに船とは、まさにこれか。
ヒーローズピザといえば、ヒーローが経営してることで有名なピザ屋だっけ。
彼女はセミロングの髪を軽やかに靡かせ、病室から駆け足で飛び出した。
「――ちょっと意外だったけど、足は手に入ったわね。後はあなたの覚悟だけよ」
「……ああ!」
俺は傷を押してベッドから起き上がり、患者服から着慣れたレザージャケットに着替えた。
七月に入ろうとしている今の時期に着るようなものじゃないが、セイントカイダーへの変身による圧迫の激痛から少しでも傷を庇うには、これが一番手っ取り早いんだ。
あと、ひかり……そんなにまじまじと俺の着替えを観察すんな。
「大路郎、傷は酷いんでしょう? 痛み止めはいいの?」
本人の意志を尊重して戦いを否定しない方針は取っていても、やはり母親としての性が、母さんに不安な表情を浮かばせている。
「そんな悠長なことしてる暇はないんだ。それに今
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