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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第16話 溢れた感情
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かる?」
「……産まれて来る子供には、罪がないから、とか?」
ひかりなら、こう言いそうな気がする。
だから、根拠もなく俺はそう答えた。
しかし、彼女は首を横に振る。
すると、か弱い彼女の手が、俺の手首をしっかりと握り、優しくも真剣な目で俺を見据える。
「あなたと、繋がっていたかった。あなたと、少しでも関係が保てるなら、あなたの傍に、少しでもいられるなら。そして、この子があなたのように育ってくれたなら……それだけで胸をいっぱいにして――私は、瑳歩郎を産んだのよ」
「ひかり……」
こんな俺のために、ここまで……。
余りにも積み重なり過ぎる負債の数々に、俺の罪悪感はさらに拍車が掛かっていく。
「私が瑳歩郎を産んでから、孤児院の先生や路郎君のおばさまが協力してくれたの。私も学園に入れなくなった代わりに、孤児院で働いてる」
「おばさまって――母さんが!?」
「うん。少しでも責任を取りたいから、って、養育費を捻出して下さったの。こないだお会いした時に、もっと息子が早起きしてくれれば……その、任せられる、のにって……」
熱でもあるのか、ひかりの顔はだんだんと上気して、朱に染まっていく。
この場で俺が何をやらかしたのかはわからないが、なぜか平中には厳しい目で見られていた。
「それで、そろそろ瑳歩郎のことを路郎君にも話そうって思ってここまで来たの。……そこで、達城さんに聞いたわ。今のあなたこと。そして、桜田舞帆さんのこと」
そこで、俺は思わずビクリと肩を震わせた。
これ以上、ひかりにまで心配はかけたくない。
それに、今の自分に何が出来るのかわからない。
しかし、舞帆を放って置きたくもない。
どうすればいいか、どうすべきか。それを今の俺は見失っていた。
そこへ、さらなる来客が俺に衝撃を与える。ひかりの背後から足音がしたかと思うと、到底このヒーロー絡みの件には関係ないような人物が顔を出してきた。
「大路郎。ダメよ、いつまでもそんなクヨクヨした顔じゃあ」
「か、母さん……!」
「えええーっ!? ふ、船越さんのお母さんッ!?」
実年齢より若干老け込んだ外見の俺の母、
紗夕
(
さゆ
)
は、いたずらを叱るようなトーンの声で喋りかけて来る。
「ひかりさんを通じて、あなたのことはちゃんと聞かせて貰ったわ。あなた、生徒会の女の子の代わりにヒーローになったんですって?」
「……黙ってたこと、怒ってんのかよ」
今の、最も情けない姿を晒している時に事情を知られたためか、俺の口調は自分でも恥ずかしくなってしまいそうなほどに拗ねたものになっていた。
意地悪のつもりで、俺はそっぽを向く。
「そうね。本当なら、怒るところだわ。家
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