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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第15話 桜田舞帆の決断
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と戦う」
「姉さん……」
心配そうに眉をひそめる弟に振り返った彼女は「大丈夫よ」と優しく微笑むと、意志の強い瞳で俺に向き直る。
「私ね、ずっと決めてたの」
「決め……てた?」
「うん。あなたに助けられた日から、ずっと。あなたが助けてくれた分だけ、あなたの助けになろう、あなたを守ろうって」
舞帆は感慨深げに瞼を閉じると、俺の手を優しく取った。彼女の隣から、「この状況でなにやってんですかー!」という平中の怒鳴り声が聞こえてくる。
「痛くはない?」
「……え?」
「ほら、二年前言ってたじゃない? 力強過ぎんだろって」
「あ、ああ、そうだっけ?」
「ふふっ、忘れっぽいんだから」
さっきまでの状況が嘘のように、舞帆は楽しげに笑う。
まるで、出撃前に酒を飲む特攻隊じゃないか。
「……私、あの時は本当に、どうなることか分からなかった。理解が付いていかなかったのよ。あなたが助けに来てくれる前からも、後からも。そのくらい、ずっと怖かった」
「悪い。俺の兄貴のせい――俺達のせいで」
俺もあいつと同じだ。ひかりを守れなかった。
傷付けた。俺と血を分けた兄弟のしたことで、発端には俺も関係がある。
だから、あいつだけのせいだなんてムシのいいことなんか言えない。
「いいの。――私は襲われたことより、私のために血達磨になって死に物狂いで戦うあなたの方が怖かったのよ。もし私のせいであなたが死んだら、きっと生きていけなかった。命の罪悪感なんて、堪えられっこないもの。だからこそ、会ったばかりの私のために、命懸けで戦って、生き延びてくれたあなたには、一生ものの勇気を貰ったわ」
「俺は、身内として尻を拭おうとしただけだ。ロクなことはしちゃいないし、大して役にも立っちゃいない」
「ううん。あなたがいてくれたから、今の私がある。だから、私もあなたのなにかになりたかったの。ああやって、叱ったりしかできなかったけど」
「おかげさまで友達もできた。感謝してるよ」
舞帆は俺の言葉に満面の笑みを見せると、名残惜しげに、ゆっくりと手を離した。
なぜか、その顔はどうしようもなく悲しげなものになっている。
「――だから、これが最後の恩返し。あなたにあの危機を救われた分に応えるために続けてきた、恩返しの締めくくり。あなたが命懸けでセイントカイダーとして戦ってくれた分だけ、私が戦う。私の命を守ってくれたあなたな命を守るために、今度は私が命懸けで戦うね」
「舞帆、本当にやる気なのか」
「やる。あなたのためだから。大丈夫、きっとすぐに帰ってくる! だから、あなたも早く良くなってね。あと、今まで意地悪ばっかりしてごめんなさい。じゃあ、行ってくるから」
それだ
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