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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第14話 予期せぬ来客
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で戦えば彼女にも勝てるかと」
「人の背中に刺さってる破片を無理矢理引っこ抜くドSと組むのは気が引けるが、勝つためにはあれこれと言ってられないよな。その程度の無茶ぶりくらい、なんてこと――」
「――その必要はないわ!」
ガタッと一つの椅子が倒れると、、凜とした声が病室一帯の空気を切り裂いた。
面食らった一同が声の主、舞帆に注目する。
彼女の眼には、物悲しさと怒りと、決意の三つが同居しているように見えた。
「姉さん、急に何を……」
「そうですよ、船越さんだって頑張って――」
「冗談じゃない、冗談じゃないわよ!」
いきなり叫んだことに俺共々驚く弟を完全放置し、こちらに向かって真っ直ぐ詰め寄ってきた。
「ふざけないでよ! 何を当たり前のようにあなたが戦おうとしてるのよ! 寛矢も寛矢よ! あなたは船越君が戦おうとしてることに何の疑問もないの! こんなのおかしいって、誰も思わないの!」
いつもの学校での凛々しさが嘘のような取り乱しようだ。
そのくらい、自分が蚊帳の外扱いだったのが悔しかったんだろうか……?
「船越さんは、舞帆さんのために戦って来たんでしょう!? なのに何で舞帆さんが怒るんですか!?」
「姉さん、船越さんは自分から戦うことを望んでセイントカイダーになったんだ。否応なしに戦わなくてはならないはずだった姉さんとは事情が――」
「知らないもん! わ、私何も聞いてないもん! お母さんも急に出てっちゃったと思ったら、船越君にそんなこと言うなんて! こんな、こんなこと、知ってたら絶対に――!」
見てる方が痛々しくなるほどに、彼女の声には動揺が如実に現れていた。
達城との出会いを話した辺りから見え隠れはしていたが、今ではそれがはっきりと表出している。
彼女の言い分は最もだ。何の事情も知らないまま、自分の代わりに他の誰かが自分がするはずだった戦いをしていた。
こんな居心地の悪くなる話はそうそうない。真面目な舞帆ならなおさらだ。
知らない方が幸せなことってのは、こういうのを言うんだろうな。……やっぱり、非常事態とは言えあっさりと正体をバラすのは浅はか過ぎたみたいだ。
俺は自分の早計な行動が招いた結果を目の前にして、後悔の味を噛み締める。
「私がやるわ! どうせ後一人だけなんでしょ!? 私と寛矢で戦うから、あなたはもうこんなことに関わらないで!」
「舞帆、お前じゃ頭は良くても力が足りない。だから達城は俺にやらせたんだ。さっき話したばかりじゃないか」
「違う! 違うよ! 違うもん! そんなことない、私だってやれる! 私のために造られたセイントカイダーなら、絶対にやれる、やってみせるから!」
まるでおもちゃをねだる子供
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