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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第13話 更生の始まり
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ちセイサイラーは、舞帆がBかAランクのライセンスを取得する予定があって建造されていた。
つまり、Fランクのヒーローが、Bランクが使う(ことを想定した)変身システムを秘密裏に運用するという、奇妙な状況が出来上がったのである。
桜田家に秘密基地を知られないようこっそりと、達城もセイサイラーを正月までに完成させた。
こうして二年の三月に入って、ようやくこの俺、船越大路郎が変身するセイントカイダーが日の目を見たのだった。
当然、リスクは相当なものであり、当初は変身する度に入退院を繰り返す始末であったが、回数を重ねるに連れて俺の肉体がセイントカイダーの鎧に馴染むようになっていった。
もともと不良時代に身体を鍛えすぎたせいで、筋肉量の重さで背が伸び悩んだために、俺は舞帆と同じくらいの身長しかなかった。
そのため、激痛を伴うには間違いないものの、五月に入る頃には随分とマシになっていた。
加えて、今までの喧嘩とは違う真っ当な戦い方を学ぶため、ボクシングジムの専属ヒーローであるBランクヒーローから格闘技を学び、宋響学園を狙う敵を迎え撃つ日に備えて俺は鍛え続けた。
さらに、俺達の現状を桜田家に悟らせないために、ヒーローに関する話題を取り上げる雑誌の取材を受けないようにするべく、ヒーローランクを上げないように派手な活躍は控えていった。
桜田家のメンツをなにより重んじる校長の性格を考えれば、セイントカイダーが舞帆じゃない誰かが変身していると知っても、それが誰なのかを特定できるまでは事を荒立てられないかららしい。
そのため、宋響学園の受験案内のパンフレットや、入学案内に同封された学園紹介のDVDくらいにしか「セイントカイダー」は姿を見せず、正体が露見する可能性を極限まで回避した。全ては、舞帆を守るためだ。
……そう、俺は舞帆に代わって、その痛みを背負ってセイントカイダーになると決めたんだ。
弌郎によってひかりと共に泥沼へ引きずり込まれた俺を、そこから救い出してくれた彼女に、報いるために。
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