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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第13話 更生の始まり
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譲りだというわけだ。
「さて、今宵あなたを呼び出したのは、ひとえに事情を知っていて欲しいからなの」
「事情?」
首を傾げる俺に背を向けて、達城は新聞紙くらいの大きさの紙を広げた。
何かの設計図らしいが、残念ながら俺のオツムではカンプンチンプンです。
「私がいた桜田家は、過去多くのヒーローを輩出してきた宋響学園と密接な関わりがあってね。その筋でも名門だったの」
セクレマンやら舞帆のお母さんやら、ついていけない要素だらけの今夜だったが、舞帆の家庭に関しては本人からある程度聞き及んでいたため、ちょっとは理解できた。
確か、お父さんがここの校長を何年も続けてて、弟はここを飛び級卒業してヒーローデビューしたんだったな。
「そんな中で、私の夫――だった桜田家の現当主の
桜田寛毅
(
さくらだひろき
)
は、この宋響学園自体に、我が家出身のヒーローを誕生させて、桜田家の威信を確固たるものにしようとしたの」
「……それが、セイントカイダーか」
よく考えてみれば、舞帆の奴は生徒会役員だったよな。
「生徒会(せいとかい)」だから、セイントカイダーってか。
女が変身するのに随分と厳つい名前が付いてるのは、きっと「なめられないように」っていう男心が出てるからなんだろうなあ。
「ええ。変身者に選ばれたのは、当然ながら桜田の血を引き、唯一家族の中でヒーロー関係に携わっていなかった舞帆。生徒会に所属している優等生でもあるんだから、必然よね。まだ企画段階だから、本人はまだ何も知らされてはいないけど」
確かに舞帆の家柄の良さはお父さんや弟の活躍振りからそこそこ察しているつもりだったが、ここまでとは正直予想外だ。
ふと、俺はそこで達城の口調に異変を感じた。
誇らしい話なのに、カッコイイ話なのに――どこか、現状に向けた怒気を感じる。
「でも、問題が一つあるの」
「問題?」
「桜田家の成功を嫉んでいるのか……僅か二人程度でありながら、宋響学園を狙う者達がいるのよ」
その警鐘を鳴らす一言に、俺の表情も険しくなる。
「初めて襲われた時は、たまたまヒーローになって力を磨いていた息子がなんとかしてくれたけど、今後もそれで上手くいくとは限らない。息子以上の力を蓄えて、いつまた襲って来るか……」
「それと舞帆がヒーローになるのとどう関係あるんだ?」
俺の問いに、達城は背中越しに答える。
「舞帆はまだヒーローになるには早すぎるの。教養はあっても、力が余りにも足りない。それを十分なものにするために、今から鍛えたのでは余りにも遅いのよ。それまでにまた、彼らがやってくる可能性が高いから。無防備なヒーローを、学園を……舞帆を狙って」
「校長先生は――あんたの旦那さ
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