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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第5話 学園に迫る脅威
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名で名乗りを上げる。
達城から教わったフレーズだが、決めポーズまでは出来なかった。
彼女は「身軽になればポーズも出来る」とか呟いてたが、何の話だったんだろうか?
一方。バッファルダは暴れていた手を止めると、憎々しい顔で歯ぎしりをする。
何の恨みがあるのかは知らないし、俺とは何の接点もない男だ。
所沢なんて名前も知らない。
確かなのは、宋響学園に仇なす敵、つまりは学園のヒーローたるセイントカイダーの敵ってことだけだ。
けたたましい咆哮と共に、バッファルダは午前の太陽に照らされ怪しくきらめく双角を俺に向け、突進を仕掛けた。
「……なんだって朝っぱらから闘牛ごっこしなくちゃならねぇんだか……なッ!」
生裁剣の柄で、真正面から受け止める。
さすがにそれだけで止められるものではないが、隙さえ作れば後は簡単だ。
「らあッ!」
左側に避けながら柄を滑らせて受け流し、すれ違い様に顎を蹴り上げる。
顎を通した衝撃で脳を揺らされた脳筋野郎は目を回し、その場で転倒した。
「ち、クソ野郎が!」
血眼で俺を睨みつけ、バッファルダは俺の前で初めてまともに言葉を発した。
今度はドラム缶のように太い腕を広げて、殴り掛かってくる。
左腕からのフックを屈んでかわし、右腕からのストレートを生裁剣の刀身でガードする。
「おっと……へぇ、まともに喋れるくらいには知性があんだな」
「黙れやクソガキがァ!」
上手くいなされたことが腹立たしいのか、力任せに次々と拳を投げ込んでくる。
巨体から幾度となく繰り出されるパンチの威力は驚異的だが、俺に言わせれば大振りで隙だらけ。
要は当たらなけりゃ大丈夫って話なわけで。
「じゃあ、今度はこっちだな!」
水平に薙ぎ払うように振りかぶった腕を飛び越え、両手で大剣を一気に振り上げ、叩き下ろす。
ガードする豪腕を剣の重さで捩じ伏せて、勢いに任せるまま、俺は角の一本に刃を切り付けた。
角は痛みを訴えるようにピキピキと音を鳴らし、やがて破片となって地に落ちた。
「があッ、こ、こんのガキ……!」
みるみる赤くなるバッファルダ。
……こいつぁ、より本格的な闘牛になりそうだな。
と、俺が思っていた矢先、目の前のデカブツが顔色を変えた。
耳に手を当て、何かブツブツと喋り出した。
目を凝らして見ると、耳から口までマイクのようなものが伸びているのが分かった。
……誰かと通信してる?
俺が様子を見ているうちに話が纏まったのか、耳から手を離してこちらを一瞥する。
会話を通して毒気を抜かれたのか、その眼差しは幾分落ち着いたものになっていた。
やがて奴は
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