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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第5話 学園に迫る脅威
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帯越しにレバーを降ろす音が聞こえてくる。
体育館裏から飛び出してくるセイサイラーを取りに、俺はその場を全速力で立ち去った。
地下室から地上へ上がる際、セイサイラーは体育館裏の倉庫から、床にカムフラージュされた射出口を使って出てくる。
体育用具を詰め込んだ倉庫の扉を開ければ、既に修復済みのサイドカーが俺を出迎えてくれた。
『もうとっくに運動場に入られてる頃でしょうね。急ぎなさい!』
「分かってる!」
颯爽と跨がり、フルスピードで倉庫を飛び出す。
パトロールの際には、突き当たりの跳び箱に偽装したジャンプ台を使って校舎外に出るのだが、今だけはそれが邪魔に見えて仕方がない。
ジャンプ台を避けるように曲がり、まっすぐ運動場へ向かう。
既に目の前のグラウンドでは、突如現れた人型の猛牛の出現に大パニックが起きていた。
これ以上、好きにはさせられない。
「さて、始めるか!」
俺は深く息を吸い込むと、意を決してハンドルの真ん中にある赤いボタンを押し込んだ。
「……セイントッ! カイダァアァッ!」
続けざまに、セイサイラーを走らせたまま、両足でタンデムシートに乗る。
そこから、今度は真上に向かって跳び上がった。
宙を舞う俺を置き去りに、無人のまま走って行ったかに見えたセイサイラーは、そこで変化を起こす。
突如飛び跳ねたかと思うと、タイヤがバイクの車内に収納され、その車体は折り畳みと展開を繰り返し、やがて鎧の形状になっていく。
そして、サイドカーの部分は身の丈を超える巨大な大剣へと変形していった。
その二つは、瞬く間に地に降り立とうとしていた俺に吸い寄せられていく。
全身にきつく締め付けられるような痛みを感じた時には――俺は武骨な鎧を纏い、巨大な剣を持つ、重厚な騎士の姿になっていた。
バックルにあるダイヤの校章が、太陽の光に照らされ、蒼白く輝く。
これこそが、「生裁戦士セイントカイダー」。俺の、もう一つの「顔」だ。
サッカーゴールをへし折ったり、朝礼台を叩き壊したりとやりたい放題のバッファルダ。
俺がそこへ立ちはだかると、さっきまでわけもわからず逃げ惑っていた生徒達が、水を得た魚のように歓声を上げる。
「セイントカイダーだ!」
「すっげえ! やっちまえー!」
ヒーローを讃える学園の声に背中を押されるように、俺は白金の煌めきを放つ大剣「
生裁剣
(
せいさいけん
)
」をゆっくりと構える。
身の丈を遥かに凌ぐまばゆい刀身が、陽の光を浴びて神々しい輝きを放っていた。
「生徒の手により裁くべきは、世に蔓延る無限の悪意! 生裁戦士セイントカイダー!」
俺は生裁剣を構えたまま、自分のヒーローとしての
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