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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第3話 波乱のパトロール
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ムで腕立て五百はキツイ。死ぬわ。
「全く、直す身にもなってよね。徹夜は肌に良くないんだから」
「わかってる、悪かったって」
「んふ、それともぉ、お姉さんと熱い夜でも……」
「それは願い下げだ」
俺はセイサイラーを達城に任せると、階段を上がって地上に出る。
途中、「そんな調子じゃ、いつまで経っても『軽く』してあげられないじゃない」と、変な小言を叩かれつつ外界を見渡してみれば、そこはもう地下室と大差ないくらいに暗くなっており、一日の終わりも刻一刻と近付いていた。
「やれやれ、まさか追突事故で昔の知り合いに会うとはな」
さっさと帰って寝ちまおう……そう思って校舎を出た矢先のことだった。
「追突事故って、何よ」
「――あ」
校門から出たところにいたのは、まさかの舞帆さん。
反応からして、今の独り言を聞かれたのは間違いない。
「あ、あのですね、舞帆さん? 今のは――」
「見せて」
普段からは想像もつかないほどの、ドスの効いた低い声。
有無を言わさぬその気迫に、さすがに押し黙ってしまう。
舞帆は無言のまま、俺の腕を取る。
そこには応急処置と称してデタラメに巻かれた包帯があった。
俺は何も言えず、息を呑んで相手の出方を見守る。
まさか命まで取るようなことはしないだろうが、ものすごく怒ってるのは想像に難くない。
成績は悪い、遅刻はする、バイクで事故を起こす……そんな見事な三拍子を揃え、典型的ヤンキーな背景を持つ俺にとうとう愛想尽かして、退学処分にしちまうかも知れない。
「いや、あの、これはだな……」
視線を泳がせ、口をパクパクさせるばかりで、上手くはぐらかす手段が見付からない。
いや、今となってははぐらかすこと自体が無謀なのかもしれない。
次第に、舞帆はその身を震わせていく。
まずい、火山が噴火する前兆だ。しかし、腕を掴まれてるから逃げることもできん。俺は、血の気が失せた顔のまま、恐る恐る彼女の表情を伺う。
そして、俺は二つの滴を見た。
腕に巻かれた包帯に、ポツリ、ポツリと落ちていく。
その滴の源泉は、悲しげな色を湛え、俺を見上げていた。
痛々しいほどに、か弱いその眼差しは、俺の心を深くえぐる。
「バカ、バカ! なに危ないことしてるのよ、なにやってんのよ!」
「……悪い、悪かった」
「バカ! ほんっとに――どうしようもなくバカだわ! あなたになにかあったら!」
溢れる涙に視界を奪われ、目を合わせることもできなくなったのか、舞帆は俯いてボロボロと滴を垂れ流す。
「『更正』も、できないじゃない!」
生徒会に所属し、生徒会長を補佐する重役を務める、正義感に溢れた優等生
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