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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第3話 波乱のパトロール
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とそうでもなかったりする。
生きて地面にはいつくばった俺に、さっきの女子高生が駆け寄ってきた。
「船越さんじゃないですか! だ、大丈夫ですか!?」
見上げてみれば、セミロングの元気そうな美少女ではありませんか。
胸も……なかなかのもんだし。――いやいや、今はそこじゃねぇ。
俺はさっきぶつけた看板を杖代わりにしてなんとか立ち上がる。
「いやぁ、なんのこれしき」
「車に撥ねられてなんともないはずがないです! 病院に行きましょう!」
「いいから。それより、そっちに怪我はないか?」
「私もあの子も大丈夫ですけど……今はあなたが!」
おお、俺の事をここまで心配してくれるとは。
身に染みる優しさだ……でも、ちょっと待て。
「君は……何で俺の名前を?」
よく考えたら、初対面なのに俺の名前を知ってるのはおかしい。
俺が覚えてないだけなのか?
「え? あ、あの、その、私は、
平中花子
(
ひらなかはなこ
)
、って言うんですけど」
平中花子……やっぱり聞き覚えのない名前だ。
「船越さんとは、その、中学の時に……」
頬を染め、さっきまでの快活な印象とは裏腹に大人しくなってしまった。
だが、中学の時、と言われると、記憶の映像がうっすらと彼女の顔を映し出してきた。
中学時代、体育の時間で、俺より早く走ろうと必死に追い縋って来ていた、名前も知らない隣のクラスの女の子。
名乗ることもせず、ただお互いの頑張りを讃え合った、体育の時間。
いつ失われても不思議じゃない、ほんの僅かな中学時代の小さな思い出。
その景色の中に、名も知らぬ彼女が、確かにいた。
「……あ、あの時の娘か」
俺は目を見開き、平中の顔をまじまじと眺めた。
向こうも思い出してくれたことが嬉しかったのか、ぱあっと明るい顔になった。
「うん、うん、そうですよ! 覚えててくれてたんですね! ……って、その髪、どうされたんですか?」
「あ、い、いやこれは……」
「お姉ちゃん、このお兄ちゃん、誰?」
すると、今度はさっき横断歩道で立ち尽くしていた子供が顔を出してきた。
「こら、達弘! 私達を助けてくれたんだから、お礼言わないと!」
「別にいいって。達弘君っていうのか? 怪我はない?」
俺は膝くらいの身長の男の子を前に、腰を降ろして目線を合わせる。
笑いかけてみれば、男の子も笑顔で応えてくれた。
「助けてくれてありがとー!」
「はは……どういたしまして」
そんな無邪気な笑みを見て、隣の平中も微笑ましそうにしていた。
△
「……で、早速やらかしてきたと」
帰ってきた俺を、達城は手荒く出迎えてくれた。罰ゲー
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