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SAO−銀ノ月−
第百二十一話
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テッチたちが少しだけ体を震わせた。つまり、目の前にいる彼は幽霊などではなく、ユイなどと同じ存在だという。その事実に少しだけ冷静になりながら、またもクロービスに問いを投げかける。

「じゃあ……あの幽霊はなんなんだ」

『アルバム……かな。たまには死んだ人に会えてもいいでしょう?』

 アミュスフィアから読み取った大事な人の記憶を、この《幽霊囃子》クエストは再生をするんだ――などとクロービスは続けるが、正確なメカニズムについて俺は分からないし、理解する気もない。とはいえこのキーワードは、きっとセブンの仕事の役には立つ。そんなことを考えていると、クロービスは不満げにその身を翻した。

『ごめんね。質問を危機に来た訳じゃないんだ……着いてきてよ、みんな。きっとそれが、清文の……キミたちの言うクロービスの願いだからさ』

「クロービスの……願い?」

 ここで言うクロービスというのは、目の前の狐面の少年ではなく、スリーピング・ナイツの元メンバーのこと。そう言って通路の奥に歩いていくクロービスに、メンバーたちは誘われるように歩いていく。

「…………」

 そるを止める権利は俺には――いや、スリーピング・ナイツのメンバー以外には誰もいない。重苦しい雰囲気の中、桐の廊下を歩いていくと、神社の中の大広間にたどり着いた。

「みんな!」

「ユウキに……キリトさん」

「ね、ねぇ……見てよこれ!」

 そこにいたのは、ユウキにキリト。そちらに気を向けた瞬間に、クロービスの姿は幽霊のように消え失せていたが、その前にユウキがある屏風を見せてきた。大広間にポツンと置かれたその屏風は、特に飾りもなく無造作に置かれており、変わった仕掛けも特になく。

「何を見ろってんだよ?」

「これだよ、これ!」

 ユウキが指していたのは、屏風に描かれた絵。9人の少年少女が描かれたそれは、武器を持って巨大な蛇を狩った姿だった。このアスカ・エンパイアの中を描いているらしく、神官や忍者、侍などが無作為に戦っている。

 その姿は――

「スリーピング・ナイツ……」

 ――恐らくは、このアスカ・エンパイアにいた頃の、今よりメンバーが多いスリーピング・ナイツを描いた絵。どこかアスナにも似た雰囲気を感じさせる女性を見て、その名前を呟くと――スリーピング・ナイツという名前に反応したように、屏風の奥の大広間に更なる空間が広がっていく。

「ここは……」

 神社の内部だというにもかかわらず、そこには風が優しく吹く草原だった。恐る恐るそこに立ち入ると、草原に様々な画像が浮かんでいく。

「白龍討伐……メリダの誕生日……ランの誕生日……テッチの誕生日……大蛇討伐……」

 そこには記録結晶で撮影された画像に、一言コメントがつ
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