五月雨の現在・その2
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までするたぁな。」
「あぁ、そういえば提督って高卒なんでしたっけ?部下に最終学歴抜かれちゃいましたね?」
「うるせぇよ赤城ぃ!俺だって気にして口に出してなかったのによぉ。」
勿論、そんじょそこらの大卒の提督よりかは指揮能力は高いと自負している。……だが何だろう、この敗北感は。
「えぇ!?提督って高卒だったんですか?な、なんかすみません……。」
「いやいや、謝るこたぁねぇさ。それに元々、座学はそこまで好きじゃなかったしな。高校までで充分だったのよ、俺ぁ。」
そう言って頭を下げる五月雨を嗜めた。そんな会話の流れに持っていった張本人の赤城は、魔王の一升瓶を一人で空にしてしまっていた。飲みすぎだチクショウめ。
「でも良かったですよ、十二年越しの約束が果たせて。」
しみじみと五月雨がそう言ってグラスの中身を干した。
「そうそう、その約束の中身がアタシらも聞きたかったんだよねぇ。」
隼鷹が顔を真っ赤にして五月雨に尋ねる。今日はいつにも増してピッチが早い。余程嬉しかったのか、このままでは潰れかねない位の状態だ。
「そんな大層な約束じゃないですよ。怪我で私が退役して、明日手術を受ける為に入院するっていう前の晩に、このお店で提督からご飯をご馳走になったんです。」
そうそう、その晩はよく覚えている。無理に明るく振る舞っていた五月雨の優しさが愛おしくもあり、辛くもあり。
「その時に提督が言ったんです。『何年かかってもいい、お前が今よりも幸せになったと思ったら報告を聞かせに訪ねて来てくれ。そしたら今度は酒でも酌み交わそう』って。」
「くぁ〜っ!キザですねぇ、四十過ぎのオッサンのクセに!」
そう言って来たのは大淀。酒は強い筈なのだが、顔を真っ赤にして目が据わっている。あぁ、これアカン奴だ。
「いよっ!スケコマシ!」
「天然ジゴロ!」
「おっぱい星人!」
口々に言いたい放題の艦娘達。
「やかましいわっ!」
流石に限界という物がある。俺が一喝すると、蜘蛛の子を散らすように酔っ払い共は逃げていってしまった。残されたのは俺と五月雨の二人きり。
「……すまんな五月雨。いや、五月って読んだ方が良いか。」
「いえ、提督の呼びやすい方で……良いです。」
何とも微妙な空気が流れる。互いに言いたい事があるのに、そのきっかけが掴めないといった空気。
「あぁ、そういえば今晩の宿はどうすんだ?ホテルとか取ってあるのか?」
「あ!そういえばここに来る事に夢中で忘れてました。どうしよう……。」
「そんなこったろうと思ったよ。ウチのゲストルーム空いてっから、好きな部屋使うといいや。」
そういうそそっかしい所はやはり変わ
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