第一部:ゲート 開けり
第三偵察隊 初遭遇する
[9/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
「そうくると思っていたぜ」
その一言の直後、
ボシュッ!
ロビンの手に隠し持っていたスイッチが押されたことで、
それに反応して足元の地面に埋め込まれていた地雷が、シャンパンのコルクが抜ける音のような音と共に噴出し、前方120℃に一粒の大きさ10mm程度の何百発もの鉛玉を降り注いだ。流石に幾ら鎧を着こんでいるとはいえこの爆発と鉛玉の衝撃には耐えきれず、何十人ものオークやウルク=ハイたちがあちこちから血を吹き出しながら倒れ、慌てて後続の連中がその抜けた分の穴を埋めて隊列の維持に努める。
だが、森の周辺ではこの爆発と同じタイミングでとある異変が生じていた。何と件の爆発が起きた森の入り口以外の全ての森の境目に、突如大きな木の幹や根っこ等で構成された巨大な遮蔽物が出現し、包囲している連中は森の中へと入ることがほぼ不可能となったのだ。手榴弾を投げても意思があるかのように動く枝で出来た触手に跳ね返されるので、森の中へと入るにはロビンたちが居る正面しか入口が無くなった。
上空で待機していたワイバーンたちが火を噴いて焼き払おうとするも、この巨大遮蔽物から伸びる触手に襲われたり全く燃えなかったりして、道を切り開くことが出来ないので悪戦苦闘している。
そしてその混乱している最中に、ロビンら二人は急いで森の中へと踵を返して逃げ込む。彼らは今居るこの罠が多く仕掛けてある道しか敵が入ってこれないようした破壊工作を活かすために、わざわざオークたちの真正面に飛び出して注意を惹きつけたのだ。
この作戦は見事成功し、敵部隊の一部に大打撃を与えると同時に、ここ以外は入ってこれないようになったので、黒王植民地軍はこれから二人が逃げていった罠が多く仕掛けられた一本道を通るしか、
他に選択肢の余地が無くなった。
ここでロビンの持つ固有スキルが一つ、
「破壊工作-ランクA」の真価が発揮される。これは戦闘の準備段階で相手の戦力を削ぎ落とす才能。
トラップの達人であることを示す。ランクAの場合、進軍前の敵軍に六割近い損害を与えることが可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格が低下する。つまりこの時点で、オークたちは六割ほど罠で脱落するのが決定づけられたのだ。
とりあえず背中をこちらに見せて逃亡する二人を殺そうと、
陣形を立て直したオークたちは先ほどよりも慎重に前進するが、ロビンの破壊工作で仕掛けられたトラップが進むたびに炸裂し、数をどんどん減らしがらもオークたちは前進を止めなかった。何せオークたちの命は独ソ戦時のソ連兵の様に非常に安く、幾ら死んでも目標達成の為なら構わないという考えが黒王軍上層部には蔓延っており、
本人たちもその考えに反感を抱くことなど全くないので、
黒王の怒りを恐れてい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ